8/23 四股1000 百十八日目 地蔵盆

 8名参加。東京、神奈川、埼玉、茨城、京都、沖縄より参加。自由な準備運動から開始。本日のカウントは、ぼすぽう節、月刊相撲5月号附録全相撲人名鑑より浅香山部屋〜伊勢ノ海部屋鳴滝、20161120JACSHAフォーラム、日本語の数字(遅重、爽)、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、823日琉球新報美ら島だより、しゅんさーみ〜稲摺り節、全員のカウントで1000回。

 久しぶりに参加した打楽器奏者の神田さんが再生してくれた、一ノ矢師匠の佐川流四股のお手本動画を久々に見ると、腕の動きなど、これまでよりも気付くことが多い。最近の四股1000のテンポは、全体的に遅くなっている傾向にあることも気付く。JACSHA世話人里村はいつもだいたい師匠のテンポをキープしているように見える。

 神田さんは昨日、コンサートの本番があったが、今日の四股1000でリセットできたと言っていた。先日、四股から楽曲を作る話題になったが(8/20 四股1000百十五日目四股ソナタ参照)、神田さんの最近の遅めで重厚な四股を、グラーヴェやアダージョなどの速度表示用語で表すとどうなるかを考察。農作業のように、大地を踏みならす感じ、遅い感じではあるが単に重々しいわけでもない。マエストーソとも違う。一旦音楽用語から離れて、相応しいイタリア語を探した方がいいかもしれない。神田さんはまた、バランスディスク上でもゆっくりと踏めるようになったらしい。ゆっくりやることで運動量が上がり、いつも以上に汗をかいたそうだ。

 呼出しハンコ職人のサトさんは、全相撲人名鑑を呼び上げてカウント。親方、力士、行司、呼出し、床山。メンバーそれぞれ推しの人で声援を送りながらの楽しい100歩であった。全員で1000人近くいるだろうから、この名鑑だけでも1000歩くらい踏める。四股1000名鑑の提案もあり、現在は25名ほどであるので、割とすぐに作れるだろう。

 京都では地蔵盆の季節だそうだ。今日の四股1000前には、地蔵盆のお経が聞こえてきたそうだ。京都のメンバーは、今年の参加を楽しみにしていたが、残念ながらコロナ対策で中止が多いらしい。例年ではこれから秋にかけて、全国にいろいろなところでたくさんの行事やお祭りが開催されるが、軒並み中止が多く、岩槻の古式土俵入りなど、リサーチなどして縁のある行事はどうなのか、とても気がかりである。

四股ノオト
8/23 四股ノオト

8/22 四股1000 百十七日目 まったとお清め

 9名参加。東京、埼玉、茨城、京都、沖縄より参加。股関節を柔らかく緩めて優しく開く繰り返し、理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し、塵手水、腰割りとイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、ぼすぽう節、日本語の数字、821日読売新聞朝刊「戦後75年終わらぬ夏 〜差別の傷痕 伏せた母〜2世の沈黙」、20161120JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、オランダ語の数字、全員のカウントで1000回。

 四股前のシャワー、四股後のシャワーの話。JACSHA鶴見は、四股1000前に一通り運動をしているらしく、大きな快感を後に持ってきたいので、四股後シャワー派らしいが、四股1000前にひと汗かいた後には、ボディシートで体を拭いてスッキリさせてから四股に望むらしい。インドネシアや沖縄では日常的に何度かシャワーを浴びる習慣がある、現在のコロナ禍の生活では、外出から帰宅した後にシャワーを浴びるので、慣れるとシャワーは意外に気軽であることに気付く、など、猛暑の夏とコロナとのシャワー生活状況を共有。

 鶴見がカウントした「ぼすぽう節」。ぼすぽうは下着の腰巻のこと。男女が明るく誘い合うような遊び歌。最近は重い内容の歌が多かったということで選曲したらしく、面白い歌で楽しませてくれた。

 評論家の松平あかねさんは、太平洋戦争で苦しんだ人生を歩んできた、在米日系人2世の親について、娘さんのシャーリーさんが語った記事でカウント。留学したことのあるワイオミング州に日系人強制収容所があったということを、この記事で知ったということで読んでくれた。シャーリーさんのお母さんは、強制収容所を楽しかった思い出として記憶を上書きして話すそうだ。娘であっても、自分の戦争体験を他の人に話すことはとても勇気がいることで、簡単には聞け出せないものだ。太平洋戦争終戦から75年。存命する戦争経験者は少なくなくなり、語り継がなければ事実や記憶は風化してしまう。今日はお話を聞けてとても良かった。JACSHA世話人里村は、在米日系人2世の戦争体験について、山崎豊子の著書で読んだことがあるという。

 JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムでは、大相撲では、現代的な稽古や医学と並行して、伝統的な慣習や思いも大事にして実践していることを、入間川部屋の稽古見学のときに体験した話。親方は、「まった」は堂々とやっていいのだから、タイミングが合わなかったら大きい声で「まった」と言いなさい、などと現代的な指導をしたり、力士が稽古中に怪我をしたのですぐに病院へ連れて行った。全ての稽古が終わった後、土俵を綺麗にしている時に、部屋頭の力士が、塩と酒を持ってこい、と若い力士に指示をし、怪我をした場所に塩を盛り、多めに酒を撒いて清めるように指導していた。そこは、その頃よく力士達が怪我をする場所でもあったので、入念に清めていたのだ。病院にも行けばお清めもする。そうした現代と伝統の両方を大事にする音楽を作りたいと語られる。

8/21 四股1000 百十六日目 命がけの音

 8名参加。東京、茨城、京都、大阪、沖縄より参加。番付表イエーイ壁の股割り、理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し(入間川部屋伸脚運動風カウント付)、腰割りとイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、でんさ節、「時の声」(松井茂)20161120JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、日本語の数字、「似顔絵ルーヴル うちなぁ顔役 第53回ジョン・カビラさん」(2020820日琉球新報副読紙レキオ)、全員のカウントで1000回。

 準備運動はJACSHA野村がリードする。理想の蹲踞(グランプリエ)からルルベへ向かう過程でドゥミプリエを通過するが、入間川部屋伸脚運動風のカウントを聞きながらやると(8/20 四股1000 百十五日目四股ソナタ参照)、ドゥミプリエをしっかり意識することができ、いつもに増して負荷を感じる準備運動であった。カウントのニュアンスはやはり大事なのだ。

 JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムでは、生活がかかっている命がけで出てくる音、社会的な機能を持つ音に興味があるという、相撲の真剣なノンフィクションの側面と、一方で横綱の発明などの、見せる工夫や権威づけとしての演出されたフィクションの側面の、両方がおり混ざっている相撲の魅力について話されていた。

 どっしりとしたカウントをした、コントラバス奏者の四戸さんは、自分がカウントすると四股に集中できず、もし1000回を一人でカウントしてやったら全然集中できない1000回になるかもしれないと言っていた。毎日やるコントラバスのスケール練習では、日ごとに課題を変えて行うので集中するという。大事なポイントだ。また、スケールの上行では天国に行くイメージ、下降では光が降りてくるイメージ、を教えてくれた。四股や腰割りにも活かせそうである。

8/20 四股1000 百十五日目 四股ソナタ

 7名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。自由な準備運動より開始。本日のカウントは、まんがにすっつぁ、日本語の数字、絵のない絵本(アンデルセン著)より第六夜、「村上かるた うさぎおいしい日本人」(村上春樹著)より、ホットケーキのおかわりも3度まで、20161120JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、テンポチェンジ、けーらぬ巻うた、全員のカウントで1000回。

 JACSHA鶴見の四股からは鈴がよく聞こえた。四股を踏む珪藻土マットの上に、タンバリンを乗せ、さらにその上に鈴を乗せるセッティング。踏むたびにシャンシャンと鳴る。先週鶴見が出演していたコンサート「日本の三味線色々」でも、足元に鈴を置いて四股を踏んだらしいのだが、左足が鳴りにくいなどの課題があったため、良くなるように改善してみたという。今日は両足ともに良く鳴っていたのは、楽器の工夫だけでなく、音で左右のアンバランスに気づき、意識して踏めるようになったからだろうとのこと。

 JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムは、さいたま市にある入間川部屋に朝稽古を見学した時、伸脚運動のカウントに衝撃を受けた話。「イチ、ニ〜〜〜、サン」「ニ、ニ〜〜〜、サン」と、3カウントずつ左右を逆にして伸脚するのだが、123のどのカウントのときも姿勢に変化はないのである。1で開始、2で伸ばして、3で終わり、ということかと思うが、そうした目には見えないイメージのカウントのあり方に、見学した野村や鶴見は大変驚いたらしかった。四股のときも、イチ、ニ、と数字でカウントするものの、同時には始まらず、バラバラに始まり、力士たちの四股のタイミングが同調することはなかった。このバラバラ感音楽の衝撃をヒントにJACSHA式土俵祭りを創作している。カウントの仕方は相撲部屋ごとに違うので、いろいろ行ってみるといいですよと力士(元・大司)が教えてくれた。日大相撲部のカウントは、「オー(1)、オー(2)、オー(3)」といった具合で、ほとんど数字は聞き取れないという。

 評論家の松平あかねさんは、数字でカウントしながら、久々にテンポチェンジ四股ンダクターでカウント。アッチェレランド、パウゼ、フェルマータ、大フェルマータ、リタルダンド、エネルジコ、アテンポ、盛り上げてフィナーレ。テンポだけでなく、エネルジコでエネルギッシュな四股も踏めた。松平さんは『テンポを変えることは、根源的な喜びに繋がる』と言っていたが(6/18四股1000五十二日目テンポチェンジ参照) 3分間100歩の四股だけで、ソナタやソナチネの第一楽章を演奏しきったような充足感に満たされる。アテンポの指示では、太陽が昇ってきて新しい一日が始まる時のような、元に戻ることの音楽的な重要性を改めて実感することが出来た。楽曲感を得たため、ソナタ形式やフーガの構想もした。転調は、腰の高さの変化(ハ長調は最も腰高、調号の数とともに腰が低くなる)、シャープ系はつま先を上げ、フラット系はつま先を下げる、打楽器奏者の神田さんが最近カウントする、重厚なグラーヴェ四股は序奏だろうか、第二楽章などの緩徐楽章か、鶴見の民謡カウントは舞曲のスケルツォ楽章だった、全部で何楽章形式になるか、など。近年はクラシック音楽作品に振り付けをするダンス作品をよく見かけるが、四股からクラシック音楽作品を作ることもできるのだ。

四股ノオト
8/20 四股ノオト

8/19 四股1000 百十四日目 四股しょーら

 8名参加。東京、茨城、京都、大阪、沖縄より参加。理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し、壁の股割り、腰割りとイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、ゆんたしょーら、「ビラウド」「ぼくのばあい」(:藤井貞和)20161120JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、音楽家医学入門(根本孝一、酒井直隆著)より索引、日本語の数字、絵のない絵本(アンデルセン著)より第四夜、「芭蕉布」「首」(:山之口貘)、全員のカウントで1000回。

 四股1000がなかったら、今頃どれだけ体がボロボロになっているか、メンタルの面でもやってなかったと思うとゾッとする、引きこもりがちの性格なので、表に出るような機会となるのでよい、といった、毎日の四股1000が心身にいい影響が出てることを噛み締めるように語りながら始まった。

 評論家の松平あかねさんは、風呂上がりの参加。風呂やシャワーは、四股前?四股後?松平さんは、サッパリと体を清めてから風呂上がりの四股派で、JACSHA鶴見は四股後が多いらしいが、できれば前後どちらも風呂に入りたいものである。温泉にでも浸かり、身体中の毛穴が開いてからの四股は股関節も開きやすいだろう。そして四股1000後には汗を流して再び温泉に入ったら、温泉の成分が体に浸透しやすいかもしれない。

 JACSHA世話人里村は、説経節音読のカウント時以外はパソコンに向かっていた。はじめは足を組んで座っていたが、せっかくなので腰割り姿勢で座ってみることを提案。いつもは姿勢が悪くなりがちだが、腰割りパソコンだと、体が伸び、肩が開くような感じがして良いそうだ。見た目もカッコいい。デスクワークの際にはオススメである。

 JACSHA鶴見は連日八重山民謡のゆんたを歌ってカウントしている。今日は「ゆんたしょーら」。ゆんたしようぜ、レッツゆんた、の意だそうだ。そのため、ゆんたの歌い始めに歌われることが多いそうだ。歌詞は、〜ゆんたをしましょう皆さん、ゆんたの主はいない、歌う人が主人公である、歌うので聞いてください皆さん〜と言った内容だ。これを四股に替え歌してみるとこうなる。

「四股しょーら」

ヒヤ 四股しょーら ヒーハーイ

ヒー 腰割しょーら サーユイヤーサー

我がけーら ヨーホーナーアー

(以下ハヤシ省略)

四股主 腰割主 主やーる

踏むすどぅ主 下ろすどぅ主 主ねーぬ

踏めば聞き 下ろせば聞き 我がけーら

 JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムは、そもそもなぜ相撲なのか?という問い(里村からの質問)JACSHAを結成してしばらくは相撲を観戦しに行っていただけであったが、JACSHA樅山は、趣味で相撲を見に行っているより、聞いた挙句に作った方が面白い、全然深度が違う、と答えていた。大相撲に限らず、各地の相撲を見て聞いては創作する、を繰り返し、現在は毎日四股を1000回踏んでいる。何でも口に入れて確かめる子供のようだ、と松平さんはいう。20157月の「相撲聞芸術のもくろみ」(アサヒ・アートスクエア)では、「相撲の歴史」(1994)、「相撲のひみつ」(2010)などの著書がある、東京大学法学部教授、東京大学相撲部部長の、新田一郎氏とのトークが実現した。新田先生は、相撲は見るだけでなく、相撲をとってこそ楽しみが深まるので、相撲を取ってみよう、と、本の中でも相撲の実践を推奨している。鶴見と樅山が東大相撲部に見学に行った時も、自らマワシをつけて稽古していたらしい。そしてなんと、新田先生と一ノ矢さんは同い年生まれだ。二人は大学生の時の相撲大会で一度対戦がある(新田先生の勝利)。一ノ矢さんが月刊武道に毎月寄稿している連載「四股探求の旅」の今月号(20208月号)「肩甲骨で腕を返し、肩甲骨でおっつける」では、チェロ奏者の腕の返し、おっつけに着目し、相撲とチェロ演奏の共通点を紹介されているが、新田先生はなんとチェロも演奏されるそうである。新田先生とお話しした2015年は、JACSHAの実践経験はまだ浅い時代だったので、あのときに比べれば少しは成長したであろう 5年経った今、再びお話の機会を作れるといいなと思う。

 やっちゃんが連日音読しているアンデルセンの「絵のない絵本」は、一話がほぼ100歩で踏める分の長さであることに驚きだ。アンデルセンこそ、隠れ四股たんで、後の隠れ四股たんの四股1000のために、100歩ずつ記していった物語集なのかもしれない。

8/18 四股1000 百十三日目 四股10000のスケジュール

 9名参加。東京、茨城、京都、大阪、沖縄より参加。理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し、壁の股割り、腰割りのイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、網張ぬ目高蟹ゆんた、日本語の数字(コントラバス、打楽器:スイスカウベル、トーキングドラムなどと共に)、中世を生きる女性たち(アンドレア・ホプキンス)よりジャンヌダルク、20161120JACSHAフォーラム、鉄道の形式番号、絵のない絵本(アンデルセン著)より第三夜、全員のカウントで1000回。

 久しぶりの参加となったコントラバス奏者の四戸さんは、お休みの間はロンリー四股(個人練習)をする時間もないほど忙しかったにもかかわらず、体は覚えていると実感したそうだ。足だけあげるようなこともなく、体ごと下ろせるようになったという。四戸さんの体にしっかり四股が染み込んだ証だ。四股をお休みしていた間の仕事の会場の隣に、野見宿禰(のみのすくね:日本で初めて相撲をとった神様といわれる一人)が祀ってある野見神社があったそうだ(高槻市)。ここでは毎年、子どもが四股名を付けて土俵入りをする泣き相撲が開催されるらしい。(今年は10月に延期)

 JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムは、櫓太鼓の話。相撲に限らず、いろいろな伝統芸能の興行の開幕時に太鼓が打たれるが、相撲太鼓では、相撲と分かる独特のリズムがあり、遠くに届けるために、バチの先だけでなく、バチ全体で太鼓の面をバチンバチンと大きな音で打って相撲の開幕を告げる、情報としての音の役割がある。JACSHA式土俵入りでは、呼出し邦夫さんの伝統的な相撲太鼓と、打楽器奏者の神田さんによる現代音楽的な太鼓のデュエットが実現した。これはまるでラブレターのやりとりのようであった。相撲太鼓は、太鼓の面を打つメインの奏者と、胴をカチカチと打っていく「フチ回し」の二人で打たれるが、フチ回しのリズムがどういうものだったのかの伝承は途絶えてしまっており、呼出しさんによってフチ回しのリズムは様々で自由だ。ツウになればフチ回しを聞いて、誰が打っているのかが分かる日が来るかもしれない。神田さんは、そうした自由なフチ回しの役割も担って、ダイナミックなデュエットとなったのだった。

 相撲の櫓太鼓は、現在は会場時の朝8時からの一番太鼓、結びの一番の後の跳ね太鼓が打たれるが、かつての一番太鼓は未明の2時や3時ごろ辺りに打たれたそうだ。取り組み数が多く、今よりも早い時間に始まっていたという理由もある。おそらくその名残で、今も一番太鼓は若い呼出しさんの仕事だ。いずれ一日四股10000回の夢がある。かつての未明の一番太鼓、イスラム教のアザーンの一日五回の礼拝の一回目が3時ごろである、という野村のアイデアから、1時間2000回ずつ五回やってみるシミュレーションをしてみる。アザーンの時間を参照に、日の出前、正午、おやつ、日没前、夜(暗くなってから)の五回。日の出前のハードルは大変高いが、前日に早く寝て備えよう。

8/16 四股1000 百十一日目 世界平和に貢献

 8名参加。東京、埼玉、茨城、沖縄より参加。理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し、腰割り、腰割りのイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、こいなゆんた、815日読売新聞朝刊「とけあう能とVR」、「松井茂短歌作品集」(夏バテ和歌詠みver.)、日本語の数字(可愛い、元気)、体癖論、絵のない絵本(アンデルセン著)より第二夜、崎山ゆんた、全員のカウントで1000回。

 昨日が初参加、今日で二回目の参加となった、呼出しハンコ職人のサトさんは、数字で初カウント。可愛いカウントであった。カウントをしながらだと四股がおろそかになる、数字が分からなくなったり間違える、という四股1000あるあるを経験。四股を踏んでいると時空を超えたような感覚になるのだ。また、89日のJACSHA野村と一ノ矢さんのトークで、北斎漫画の相撲絵の解説として、江戸時代の人は膝とつま先の角度が揃っていた、と言っていたのを思い出しながら踏み、股関節が開いていく感じがしたそうだ。二日目の参加とは思えない四股だなとオンラインの画面を見ていたが、さすがのサトさんである。いつも相撲を見ているだけあって習得が早い。

 JACSHA鶴見も四股を褒められた話をした。昨日、毎年高砂部屋が合宿をしている、茨城県下妻市にある大宝八幡宮に行ったそうだ(下妻合宿は毎年6月に開催されるが、今年はコロナのため中止)、境内には土俵があり、土俵の前で土俵入りパフォーマンスをしたところ、近くを通りかかったおじさんに、「よく見てるからよく出来てるよ〜!」と、喜んでくれたそうだ。今年の春には、逆井城跡公園(茨城県坂東市)の土俵。土俵真ん中はグランドゴルフのゴールになっており、そこを目掛けてボールを打とうとしてたおじさんに断って、土俵入りパフォーマンスをさせてもらったところ、「いい四股だ!いいもん見させてもらった。」と喜んでくれたそうだ。各地の土俵を巡って、そうした土俵入りと楽しい交流の様子を録画して、番組を作ったらどうかと歌手の松平敬さんから提案があった。四股ちゃんねる。四股で周りの人が喜んでくれる。四股で世界平和に貢献するのだ。四股1000メンバーもどんどんやって欲しい。

 松平敬さんが、フミー、ミフー、ヒミーとカウントしていく「松井茂短歌作品集」の和歌詠みバージョン。歌会始で詠まれてみたい。調べてみると令和三年のお題は「実」。松井茂の韻を踏みまくりの短歌と「実」は親和性がある感じがする。フミフミの実として何か新作を期待したくなる。

 地歌奏者の竹澤さんが連日読んでくれる「体癖論」。今日は、ぱっと見の体型でも分かる種別や、音楽の聞き方も種によって違う、という話。三日前の話できいた、よく寝る、平和主義の第6種の人の体型は、胸、肩、肩甲骨に表れ、音楽はテンポやノリを聞く、ということになるようだ。四股愛好家が近いのはここだろうか。

 昨日、JACSHA樅山、やっちゃん姉妹が四股1000後の感想戦で食べていた、ヨーグルト&キウイ&蜂蜜が美味しそうで効きそうだったので、鶴見は真似をして四股前にヨーグルト&桃、ピアニストの平良さんは感想戦でヨーグルト&冷凍バナナを食べていた。こうした四股に合いそうな、四股ちゃんこを考えるのも楽しい。

8/15 四股1000 百十日目 ひざまづき

 8名参加。東京、埼玉、茨城、京都、沖縄より参加。理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し、腰割り、腰割りのイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、こいなゆんた、「時の声」(松井茂)、日本語の数字、 絵のない絵本(アンデルセン著)より第一夜、 「沖縄風景」「夜」(:山之口貘)、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、「ワンワンニャオニャオ」(作歌:葛原しげる、作曲:宮城道雄)、崎山ゆんた、ドイツ語の数字、全員のカウントで1000回。

 初参加となった、呼出しハンコ職人のサトさんは、1000回はあっという間だった、左と左膝が弱いと感じたそうである。膝の話題から、膝が成長に追いつかず少し歪なまま大人になり、ひざまづきができない、成長痛はストレスからも起こる、膝小僧というくらいで、膝は顔にも見える、など、メンバーそれぞれの膝の特徴や、膝について思いを巡らせる。

 JACSHA鶴見が歌った「崎山ゆんた」は、鶴見が住んでいる首里の崎山ではなく、西表島の外れにある崎山村のことだそうだ。「崎山ゆんた」ではかつての専制時代の頃、八重山のいろいろな地域から崎山に強制移住と労働をさせられた、村建てと辛い生活を歌っている(1755年創建、1948年廃村)。今は人は住んでおらず、離島ではないが陸路がないため、ボートでしか辿り着けないが、鶴見は訪れたことがあるらしく、よくもこんな険しい山で開墾させられたものだと驚いたという(鶴見が訪れた時、実は一人住んでいた)。ピアニストの平良さんの朗読で山之口貘詩集を聞くと、沖縄の風景が浮かんでくるようである。「ひざまづき」は、沖縄では正座のことであると教えてくれた。

 地歌奏者の竹澤さんは、箏曲童謡第四集から、愉快な子供用の浪曲「ワンワンニャオニャオ」でカウント。箏パートは大人が演奏する想定で作曲されているので難しいが、歌は可愛らしく大変楽しいし、子供向けの浪曲という発想がいい。胡弓はワンワンと犬の鳴き声を模したところがあるらしい。子供向けの童謡四股集など、四股のための可愛らしい曲集を作るのもいいかもしれない。

 JACSHA樅山、やっちゃん姉妹が四股1000後の感想戦で食べていた、ヨーグルト&キウイ&蜂蜜が美味しそうだった。

四股ノオト
8/15 四股ノオト

8/14 四股1000 百九日目 化粧回しの鈴

 7名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。入間川部屋風伸脚運動、理想の蹲踞、からのドゥミプリエ、ルルベの繰り返し、腰割り、腰割りのイチロースタイル肩入れより開始。本日のカウントは、わったー古宇利島(: 古宇利小学校の子ども達 曲: 鶴見幸代)、体癖論、日本語の数字、 絵のない絵本(アンデルセン著)20161120JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、オランダ語の数字、全員のカウントで1000回。

 準備運動のとき、JACSHA野村の腰が完璧に割れていて、隣にあるテーブルと見分けがつかないほどであった。テーブルは五角形にすらならず、当たり前だが、完璧な四角形で安定の腰割れ姿勢だ。そうでないとテーブルとは言えない。テーブルの見る目も変わってくる。

 地歌奏者の竹澤さんが連日読んでくれる「体癖論」。人間分析の12種類をさらに奇数と偶数に分けると、大雑把にいうと奇数が肉食系、偶数が草食系。詳しく聞くと、どちらにも当てはまる部分があり、簡単に分類をすることは大分難しい。アニメで言うと、ルパン三世は全員奇数、ムーミンは偶数であるそうだ。

 野村が連日音読しているJACSHAフォーラムは、岩槻の古式土俵入りの化粧回しの鈴の話。釣上地区の古式土俵入りでは、終始柔らかな鈴の音に惹き込まれる。化粧回しの房の部分に鈴が付いているからだ。化粧回しをつけた子供達が歩くとシャラシャラと鈴の音が響き続ける。一方で、笹久保地区の古式土俵入りでは鈴の音には気付きにくい。本来は笹久保地区の化粧回しにも鈴が付けられていたのだが、保存会が保存している化粧回しを代々使用しているため、年月とともに鈴の多くが取れてしまったからだ。釣上地区では、長男が生まれると化粧回しを新調するため、鈴が付いたままの状態で土俵祭りに参加できる。両地区は、同じ岩槻の古式土俵入りであっても、お互いにどのように行っているかを知らなかった。笹久保地区の皆さんと、釣上地区のビデオを見たときの様子は今でもよく覚えているが、鈴の音色を聞いて、自分たちも鈴を付け直さなければいけないなと話した。他にも、共通点と違いをたくさん共有した。ここに限らず、同じ地域の各所で行われる祭りや行事は、同じ時期や同日に行われるので、互いの内容を知らないことが多いし、自分たちのためのものであるから知る必要もない、と思われるのだが、失われつつある大事な部分を発見することに繋がり、互いを知ることは当事者達にとっても無益ではなかった、という経験を共にできたことは大きかった。

 四股1000で数字のカウントをするとき、80がクライマックスになることが多い。日本語では40のヨシコに引き続き80ではヤシコ、ポーランドではオシェンデション、オランダ語ではタフタフといい、それぞれ80の響きに特徴があるので、カウント担当以外のメンバーも80の声援を送る。オランダ語のタフタフと聞こえる面白い響きを解明するべく、カウントをしてくれるピアニストの平良さんに教わったスペルは、tachtigacht8で、10番代を示すtigがつくので、ルール通りだとachtigとなるところを、発音がしやすいようにはじめにtがついてtachtigとされ、イレギュラーな80となっていることを学ぶ。タフタフ。

四股ノオト
8/14 四股ノオト