8/26 四股1000 百二十一日目 土俵築と弦築

 6名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。竹野相撲甚句体操より開始。本日のカウントは、四股1000メンバーによる七股相撲甚句まくら唄、日本語の数字、20161121JACSHAフォーラム「呼出しについて」、近況と質疑トーク、1歳から100歳、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、ネッテイ相撲、全員のカウントで1000回。

 JACSHA鶴見は、昨日の旧暦七月七日に四股1000メンバーで創作した、新作の七股甚句のまくら唄を2番分歌いながらカウント。1番分のまくら唄はほぼ100歩分。2番のまくら唄は、JACSHA野村がつくった「し」と「こ」の二文字のみでできたミニマルな句である。(四股1000メンバーによる旧暦七月七日七股相撲甚句参照)。歌手の松平敬さんがよくカウントする「松井茂短歌作品集」は、123の三文字をいろいろなバージョンでやってくださるが、野村の句も是非詠んで欲しい。

 野村が書き起こしている2016年のJACSHAフォーラム。昨日から音読が始まった1121日「呼出しについて」の今日は土俵築と弦築について。土俵作りのことを「土俵築」(どひょうつき)という独特の言い方をする。呼出しさんは、力士の呼び上げ、相撲の開始を告げる触れ太鼓や櫓太鼓のといった、お客さんから見える仕事、情報としての音を伝える役割があるほか、土俵作りをするのも重要な仕事である。そこから影響されて鶴見が作曲した作品が「弦築」(げんつき)。太棹三味線とチェロの弦楽器で演奏される。国技館で見学した土俵築が印象的だったようだ。柔らかい土の上での足踏みからはじまり、タコやタタキという道具でボコっボコっ、バチンバチンと叩かれ、徐々に土俵が固められていく。弦築では弦が音楽を作り上げていく。相撲太鼓のリズム、力士の呼び上げのメロディ、浄瑠璃「関取千両幟」の三味線曲弾きシーンも参照され、なぜか馬が走っているモンゴルの広大な草原をイメージしたシーンもあるという。楽譜や録音は展示されていたので、練習番号Oがそこであると解説していた。この馬走る草原シーンこそが、土俵築と弦楽器のイメージが重なる部分なのである。

 ピアニストの平良さんは、旧盆の準備のためのお墓掃除で筋肉痛のまま参加され(草刈りが大変らしい)、筋肉痛でやる四股の注意点はあるか?という質疑とトークをしながらのカウント。野村は何もないと答え、平良さんはどのように踏んでるかたずねると、無心に四股る、ということだった。

 やっちゃんは今日も、1歳から100歳まで数えるカウントで、それに野村誠の生涯が重なっていくのが面白かった。

 野村は二巡目のカウントで、ネッテイ相撲をした。ヨイ、ヨイ、ヨイ………(しばらく無言)、ヨイ、ヨイ、ヨイ………(しばらく無言)、ヨイ、ヨイ、ヨイ………(しばらく無言)、ヨイっ!!………(しばらく無言)の繰り返し。本来は、無言のところは動かずに次のヨイまでを過ごすのだが、四股を踏みながらなので、踏み続けつつネッテイ相撲聞をする。JACSHAには、本来のやり方にJACSHAの解釈を取り入れた、無言の時に周囲の音に耳を傾ける作品「ネッテイ相撲聞B.C.300」があり、何度かパフォーマンスをしたことがあるが、四股を踏み続けながらのネッテイ相撲聞はなんというか、新しい四股感覚の経験だった。もっとやってみたい。

 JACSHA樅山は、呼吸を意識して踏んでいたという。テンポによっても呼吸の仕方を変える。4歩分長く吐き、5歩目の直前に吸うのが楽だったという。鶴見は寝不足だったので、できるだけ体を楽にゆるめ、全身を整えることを意識したという。

 今日の平良さんの質疑トークのように、四股と感想戦が一緒になったようなカウントをやってみたらどうかと野村が提案した。その日の共通課題やテーマがあったり(数字だけのカウントの日とか)、「JACSHAの部屋」としてインタビュートークがあったり、どの面も四股にまつわるテーマが書かれたサイコロトークをしながら(四股、足裏、腰、四股との出会い、未来の四股と私)など、たくさんのアイデアが出された。明日は早速試してみたいと思う。

四股ノオト
8/26 四股ノオト

四股1000メンバーによる旧暦七月七日七股甚句

隠れ四股たんの暦、旧暦七月七日は特別な「七股」の日である。短冊に七股調で願い事を書くのが慣例だ。「七股」についておさらいしよう。

旧暦七月七日: 七股(ななこ、しちこ)【ナナ】

旧暦七月七日は隠れ四股たんにとっては特に神聖視される。野見宿禰と当麻蹴速の相撲、相撲節会も七月七日に行われた。通称「ナナの日」と呼ばれ、特別なエネルギーがでる「七股」を踏む日である。両脇の下から二匹の蛇が出入りすると言われる。自らのエネルギーで見えない蛇をコントロールできる者もいれば、脇から蛇やいろいろの飾りをぶら下げて踏む者もいる。この世とあの世を結ぶ七股である。現在の仮装盆踊り大会に名残りを見ることができる。短冊には蛇文字(相撲文字)で願い事が七股調(七五調)で書かれ、次々と唱えながら一晩中七股を踏み続ける。これは相撲甚句の発祥とも言われる。

というわけで、四股1000メンバーも旧暦七月七日の8月25日に、七股調で短冊に願い事などをしたためた。

集まった短冊を飾られた順に紹介。カッコ内は作者名。


(鶴見幸代)

同調いいな オフライン

同調しません あらがいます

楽器の土俵を 作りたい

松井茂の 変奏曲

ヒーフーミーの ポリフォニー

体重移動 滑らかに

ドスンじゃなくて ムニュ〜ムニュ〜

1000回踏んで 千歳四股(ちとせしこ)

(砂連尾理)

孤四股踏み踏み 足裏綿毛に

我が四股受けて 畳も浮かれる

(野村誠)

ここしここここ ししこしこここ

こここここここ ししししししし

こししここしこ しここししこし

ししししししし こここここここ

(平良明子)

ソロ四股、デュオ四股、みんなで四股

みんなで四股れば

「あたらしい生活様式」(笑)

四股でつながる 新世界!

(やっちゃん)

ヒグラシの声 浴びてしこたん

(松平あかね)

10時になると 四股だソワソワ

感想戦も 四股の延長

下駄をはいたり 鈴鳴らしたり

大地踏みしめ 生きるかすがい

今日はだれかな 参加するのは

いつもみる顔 見ない顔

誰が来たって ウェルカム四股1000

(やっちゃん)

天の川わたる しこたんの愛

集まった短冊から、夜な夜な唱えられた甚句の構成は下記の通りである。


四股1000メンバーによる旧暦七月七日七股甚句(2020.8.25)

作句:砂連尾理、平良明子、鶴見幸代、野村誠、松平あかね、やっちゃん

ハァー ドスコイ ドスコイ

1

(まくら唄: 前唄)

孤四股ヤー 踏み踏み 足裏綿毛に ハァー ドスコイ ドスコイ

我が四股ヤー 受けて 畳も浮かれる ハァー ドスコイ ドスコイ

(まくら唄: 後唄)

大地ヤー 踏みしめ 生きるかすがい ハァー ドスコイ ドスコイ

天の川ヤー わたる しこたんの愛 ハァー ドスコイ ドスコイ

(本唄)

ハァーエー

ハァー ドスコイ ドスコイ

誰が来たって ウェルカム四股1000 ヨー

ハァー ドスコイ ドスコイ

ハァー

10時になると 四股だソワソワ

今日はだれかな 参加するのは (ホイ)

いつもみる顔 見ない顔 

下駄をはいたり 鈴鳴らしたり (ホイ)

ヒグラシの声 ヨーホホホイ

ハァー 浴びてしこたん ヨー

ハァー ドスコイ ドスコイ

(はやし唄)

ハァー

ソロ四股、デュオ四股、みんなで四股 (ホイ)

四股でつながる 新世界!(ホイ)

みんなで四股れば あたらしい 生活様式 ()

ハァー ドスコイ ドスコイ

2

(まくら唄: 前唄)

ここしヤー ここここ ししこしこここ ハァー ドスコイ ドスコイ

こここヤー ここここ ししししししし ハァー ドスコイ ドスコイ

(まくら唄: 後唄)

こししヤー ここしこ しここししこし ハァー ドスコイ ドスコイ

しししヤー しししし こここここここ ハァー ドスコイ ドスコイ

(本唄)

ハァーエー

ハァー ドスコイ ドスコイ

感想戦も 四股の延長 ヨー

ハァー ドスコイ ドスコイ

ハァー

楽器の土俵を 作りたい

松井茂の 変奏曲 (ホイ)

ヒーフーミーの ポリフォニー

体重移動 滑らかに (ホイ)

1000回踏んで ヨーホホホイ

ハァー 千歳四股(ちとせしこ) ヨー

ハァー ドスコイ ドスコイ

(はやし唄)

ハァー

同調いいな オフライン (ホイ)

同調しません あらがいます (ホイ)

ドスンじゃなくて ムニュ〜ムニュ〜 

ハァー ドスコイ ドスコイ