宮崎滞在三日目 谷頭相撲甚句踊り、庄内町町区相撲甚句踊

JACSHA2025冬の宮崎滞在記:その2
<三日目12月17日>

宮崎県都城(みやこのじょう)市にある、谷頭(たにがしら)相撲甚句踊り保存会、庄内町町区(しょうないちょうまちく)相撲甚句踊保存会の皆さんと1年振りにお会いしました。実は3年前の2022年夏から交流が続いています。経緯と驚きのエピソードをお伝えしようと思いますが、少々長いストーリーとなります。

2022年8月21日に都城市総合文化ホールで開催されました「Let’s和の音 邦楽と相撲 都城公演」(出演:竹澤悦子、神田佳子、松田哲博、呼出し邦夫、監修・進行:織田麻有佐)を、JACSHA野村と鶴見が見に行きました。≪初代高砂浦五郎・其ノ三≫(原案:松田哲博、脚本・作曲:神田佳子)が初演されたからです。(浪曲地歌「初代高砂浦五郎」のシリーズものとして、JACSHAの作曲家3名も、其ノ一を野村が、其ノ二を鶴見が、其ノ四を樅山が作曲しています。)

この公演に先駆けて、1ヶ月前の2022年7月12日に、宮崎の相撲文化のリサーチとして、監修・出演の皆さんとJACSHA野村が、谷頭相撲甚句踊り保存会(以下:谷頭)、庄内町町区相撲甚句踊保存会(以下:庄内町町区)を訪れたのが初めての交流でした。この時に、それぞれの芸能をご披露くださったのです。そして、本番の8月の公演には、谷頭・庄内町町区、両者の皆様がお客様としてご来場くださったので、公演後の監修・出演者の皆さまとの交流の場に、野村と鶴見も同席させていただきました。両地区は遠くないところにあるものの、一緒になって交流することは滅多にないことなので、貴重な場ともなりました。

2022年7月12日の野村誠の作曲日記:
https://makotonomura.hatenablog.com/entry/2022/07/12/000000

2022年8月21日の野村誠の作曲日記:
https://makotonomura.hatenablog.com/entry/2022/08/21/000000

そして2024年8月23, 24日、JACSHAの南九州相撲聞芸術リサーチツアー時には、Createfields徳永さんのコーディネートで、谷頭、庄内町町区をそれぞれ訪れて、さらに深掘りの研究をさせていただいたのです。

23日に訪れた庄内町町区では、今回もまた相撲甚句踊をご披露くださいました。歌い手の方しばらくお休みをされており、その方の録音音源を再生しながらの上演をしてくださいました。二度目の訪問になるので、この時は歌、三味線、太鼓について詳しく教わろうと思い、野村が庄内町町区相撲甚句踊の楽譜を作ってきてくれたので、それを見ながら野村と鶴見が鍵盤ハーモニカで演奏してみたら、皆さん大変喜んでくださいました。

24日に訪れた谷頭では、驚きのエピソードがあったのです。この時もまた相撲甚句踊りをご披露くださいました。なんと、前出2022年8月の「Let’s和の音 邦楽と相撲 都城公演」の影響で、谷頭相撲甚句踊りの音楽がアップデートされていたのです。公演で演奏された、太鼓や拍子木で相撲甚句が始まったり、終わったりするのがとてもかっこいいと思ったので、取り入れて新しくイントロとエンディングを作ったということを教えてくださいました。それは凄いことでした。公演後の交流会でも、専門家からいろいろ教わりたいと向上心たっぷりの皆さんに感動したことを覚えていますが、本当に影響を受けたことを取り入れてらっしゃったことに感激しまくりでした。そんな歴史的なフィードバックを得られた当事者になれたことに感謝しました。

2024年8月23(町区)、24日(谷頭)の野村誠の作曲日記:

それから3度目の訪問となりました2025年12月17日。Createfiels徳永さんのコーディネートで、遂にJACSHA3名鶴見、野村、樅山3名揃ってうかがうことができました。

午前中には、谷頭相撲甚句踊り保存会 の皆さんとお会いしました。ありがたくも、美味しいご馳走をご用意くださっており、いただきながら交流致しました。20日の「五ヶ瀬相撲フュージョン」にはご出演になれないのですが、将来には実現したいことをお話しくださいました。谷頭相撲甚句踊りの楽譜を鶴見が作ってきたので、JACSHAの歌、三線、鍵盤ハーモニカ、サックスと、保存会の皆さんによる太鼓のリズムとで共演しました。谷頭といえば、2022年に伝統アップデートの衝撃がありました。この日も、私たちの演奏を喜んでくださったので、この後にまたアップデートがあるかもしれないと思うとドキドキしました。

午後には、庄内町町区相撲甚句踊保存会の皆さんとお会いしました。野村が前回の楽譜よりもほぼフル構成に近い楽譜を作ってくれたので、JACSHAで演奏してみました。そして、以前よりさらに詳しく、拍子木、歌、三味線、太鼓、踊り、弓取り式、衣装を教わり、保存会の皆さんと一緒に、フル構成の演奏・演舞に挑戦しました。昭和時代の頃の様々なお写真を見せてくれたりと、かけがえのない時間となりました。難しそうに聞こえた三味線パートは、とてもシンプルなものであることも判明しました。同じようなことを大相撲の櫓太鼓を呼出しさんに教わった時にも経験しましたが、やはり直接出会って教わるということが、いかに大事であるのかを学びました。

JACSHA作曲作品に≪三声の相撲甚句インヴェンション≫があります(2025年1月作曲)。実はその内の一声が、庄内町町区相撲甚句踊の旋律で構成されており、この日にようやく保存会の皆さまに、作曲の報告と演奏を披露することができました。(他の二声は、大相撲の相撲甚句、竹野相撲甚句)

「三声の相撲甚句インヴェンション」は下記からお聞きいただけます。
JACSHA&KIACプレゼンツ!「とよおか音楽めぐりラジオ 竹野編」
(29分くらいから)
https://youtu.be/np_d1L3ovqA?si=Lwyjil2Hgq0DB1IY

3日後、20日開催の「五ヶ瀬相撲フュージョン」では、これにあと二声増やして(木花相撲踊り、谷頭相撲甚句踊り)、「五ヶ声の相撲甚句インヴェンション」が初演されることになります。

2025年12月17日野村誠の作曲日記もあわせてご覧ください:

 

宮崎県の相撲文化を深く知るきっかけとなった公演「Let’s 和の音 邦楽と相撲」(2022年8月)
庄内町町区相撲甚句踊デモンストレーションより、クライマックスの弓取り式(2024年8月23日)
谷頭相撲甚句踊りデモンストレーション(2024年8月24日)
新しく太鼓と拍子木のイントロとエンディングを作ったと教えてくださった衝撃の瞬間
谷頭相撲甚句踊り保存会の皆さんとお弁当を囲んで交流(2025年12月17日)
庄内町町区相撲甚句踊保存会の皆さんからさらに詳しく教わる(2025年12月17日)
庄内町町区相撲甚句踊 昭和58年3月27日宮崎県知事と 霧島公園線落成祝賀会の写真
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