12/16 四股1000 二百三十三日目 日常の中の神髄

4名参加。東京、京都より参加。本日のカウントは、大学生の箏レポートについて、一ノ矢さんの竹野レポートについて、ポーランド語音読、数字カウントなどで、1000回。

地歌箏曲家の竹澤さんは、大学の授業で今年の学生に出したレポートから、かなりの手応えを感じたらしく、箏の魅力が伝わった喜びを覚えたという。例年は、箏を学んで教育活動にどのように生かすかなどの課題をレポートで書いてもらっていたところを、今年はシンプルにお箏の魅力についてとしたことも一因かもしれないとのこと。授業では、楽器をセッティングするところから始めて、自分たちで柱を立て、音階を自由に変えられる楽器であることを知ってもらうところから始める。ドレミで調弦して、各自が知っている曲などをお箏で鳴らしてから、古典の平調子に調弦し、古典を学ぶ。授業の後半では、物差しで演奏したり、ホッチキスで演奏するなど、独創的な表現を学生たちがして発表するなど、既存の奏法にとらわれない講義の様子も紹介していただいた。こんな授業が受けられる学生たちが羨ましいと思った。

JACSHA里村のポーランド語の音読を聞くのも久しぶり。音読中に、竹澤さんから「がんばれー」の掛け声が飛ぶのも、四股ならでは。掛け声だが、「よいしょ」は別にして、「よしこ」、「たふたふ」、「オシエムジェショント」などは、四股1000定番で、一年前には掛け声とは認知されていなかったが、今では自然に出る。

JACSHA野村と里村がリレー方式で読んだ一ノ矢さんの竹野レポートの原稿に、竹澤さんが涙した。派手な上手投げや記録も心に残るけれども、「日常のごく当たり前の中に神髄がある」という言葉がとりわけ印象に残る。竹澤さんが、JACSHAは一ノ矢さんと出会えて本当によかったね、と言った。本当にこの奇跡的な出会いを大切に、これからも四股を踏み、それぞれの道を進んでいこうと心した。

11/24 四股1000 二百十一日目 足裏を半分に折る

5名参加。東京、京都、沖縄より参加。本日のカウントは、「JACSHAフォーラム2020 『オペラ双葉山』とは何か」、数字カウント、忍者の散歩会報告、読売新聞朝刊などで1000回。

沖縄の冬は本土の秋くらいの感じで、沖縄の人は寒いと言うのだが、本土から来た人には暖かいと感じるらしいが、移住して2年目からは寒いと言いだすそうだ。「JACSHAフォーラム」は、保存することについて。『オペラ双葉山』を保存するとは?preserveinheritの違いについてなどの話を音読。大相撲の千秋楽の日に、地歌箏曲家の竹澤さんは、五十嵐さんという方が主催する忍者の散歩会に参加し、帝釈天のあたりを歩いた後に、荒川河川敷を裸足で歩きまくり、矢切の渡しで対岸に渡って後、さらに4-5km歩き、一日中歩きまくったが、教わった歩き方で歩くと全く疲れなかった。草むらを裸足で走り回るなど、子どもの時以来だが、昔の歩行を伝授されると自然に体が軽くなり、走り出したと言う。岡伯敬「不及先生千里善走傳」明和8年(1771年)に記された7つの歩行を五十嵐さんが伝授して下さったらしい。千鳥足も、足の親指を動かすとなっていたり、足の裏は平たい一枚の面のように感じるが、これを縦に半分に折ったり、横に半分に折ることができるとのこと。声楽家のあかねさんは、読売新聞朝刊の記事を読み、過去12場所のうち8場所で休場した二人の横綱への横綱審議委員会から注意が行われたこと、貴景勝が場所前に結婚していたなどのニュース。また、あかねさんは昔「忍者図鑑」を愛読していたとのこと。そのほか、孤独死の可能性についても話題に。JACSHA野村は、孤独死の第一発見者になった経験も語った。

11/19 四股1000 二百六日目 JACSHAフォーラム冊子到着

4名参加。東京、京都より参加。本日のカウントは、「JACSHAフォーラム2020 『オペラ双葉山』とは何か」音読、ストレッチの効果、映画『相撲道』についてなどで1000回。

JACSHA里村が編集・デザインしたJACSHAフォーラム冊子が今朝野村+里村宅に納品され、箱を開封。届きたての冊子を、JACSHA野村、里村は、冊子の手触りを味わいながら音読した。一ノ矢さんとの対談を聞きながら、Abema TVで大相撲を鑑賞しながら四股を踏む時間。地歌箏曲家の竹澤さんはダンサーの武元さんのストレッチに参加し、ストレッチの効果を実感しているとの報告。歌手のあかねさんが、映画『相撲道』を鑑賞の報告。中野のポレポレ座は混んでいて、映画の予告編やチラシに出会い、また映画館に行きたくなるとのこと。豪栄道が勝てる時は足の感覚やすり足の感覚が違うと言っているとのこと。自分が苦もなくできることを他人に教えるのは難しい、という話もした。歌を教えている時に、真似してくださいと言っても、4度でハモる特殊な音の取り方をする人もいるそうで、教えるのは勉強になる。

11/4  四股1000 百九十一日目 ツナ

6名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。本日のカウントは、「四股1000」ブログより抜粋、数字カウント、後輩の受賞について、ツナ缶の恩返し、「オペラ双葉山」の構想、などで1000回。

JACSHA里村が編集のJACSHAフォーラム冊子。11月に完成の予定。JACSHA野村が「四股1000」ページの抜粋を読んだ。4ヶ月前の出来事が懐かしいと同時に、冬至には餅つき四股をと提案していたことを思い出す。ぜひ、冬至に実施したい。地歌箏曲家の竹澤さんの後輩が紫綬褒章を受賞したそうで、おめでたい。沖縄県ではツナ缶の消費量が全国平均の4倍だそうで、首里城の復興のために、はごろもフーズは1億円の寄付を決めたそうだ。ツナの恩返しである。沖縄ではツナ缶を箱買いしてお中元やお歳暮にするらしい。「オペラ双葉山」の構想を次々に読み上げた。多岐に渡るので、毎年新しい試みを実現しても、これから何十年とネタが尽きることはない。みなさんにJACSHAフォーラム冊子をお配りできる日が来るのが、本当に楽しみだ。また、権力や権威に近づいて自分を見失う人もいるので、忌憚のない意見を言ってくれる友人はとても貴重だ、という話もした。JACSHA樅山は、ホテルの床の硬さが絶妙だったそうだ。JACSHA鶴見は、沖縄から坂東への帰り道のつくばエクスプレスの車内からの接続で、四股は踏めないが、車窓の風景など、茨城の空気を伝えてくれた。竹澤さんからは、千鳥足四股の効果についての報告もあった。足が痛くて歩けないほどだったのが、千鳥足四股を数回踏んだだけで、痛みがおさまり歩けるようになったらしい。要研究。

10/29 四股1000 百八十五日目 楽器としての体

5名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。zoomでの参加が二度目となる、合唱指導者の鶴渕先生と、ルルベ、ドゥミプリエ、グランプリエの準備体操から開始。本日のカウントは、竹野相撲甚句「竹野のや」「鶴亀」、日本語の数字、10/5JACSHAフォーラム、10/3JACSHAフォーラム(一ノ矢さん)、沖縄の天気と湿度と気温、フォーレ「レクイエム」対訳、野村誠世界初演作品《世界をしずめる 踏歌 戸島美喜夫へ》コンサートの感想、全員のカウントで1000回。

JACSHA野村が、城崎レジデンス中に行った2回のJACSHAフォーラムの書き起こしを音読した。10/5は城崎国際アートセンターの吉田さんと橋本さんがゲストだった。與田さん、レジェンド準ちゃんとの竹野相撲甚句を通した交流が思い返される。10/3は一ノ矢さんがゲスト。四股は考えないのが大事、考えないための四股である、四股は自分との対話である、という力強い教えをいただく。

JACSHA鶴見は竹野相撲甚句でカウント。「竹野のや」は、全国的には「一人娘」として親しまれている相撲甚句。これが竹野バージョンの歌詞となっているのが面白い。句余りというのか、はじめの方の節付けがイレギュラーのため、難しいのを攻略し、今日初めて歌ってみたそうだ。野村が読んだ、レジェンド準ちゃんとのエピソードに影響されて、準ちゃんが担当していた「鶴亀」も歌った。

ピアニストの平良さんは、フォーレのレクイエムの対訳を読んだ。主よ憐みたまえ、アーメン、などの言葉を聞きながら四股を踏むのは新しい感覚だ。開いた股関節がより一層緩やかに開きっぱなしになるようだと鶴見は感じた。

地歌奏者の竹澤さんは、昨夜開催されたコンサートで、野村誠世界初演作品《世界をしずめる 踏歌 戸島美喜夫へ》を聞いた感想を話した。曲も素晴らしかったが、楽器が良かったと、楽器の重要性を強く思ったようだ。毎日四股を踏んでいると、自分の体を楽器のように感じることがある。野村の体調が良くなって来ているようでよかった。

10/17 四股1000 百七十三日目 四股と声

8名参加。東京、京都より参加。運足について、地歌「海老」、読売新聞より読書について、ポーランド語音読、カウント、カウント、四股と発声について、地歌「涅槃」、「蚤」、四股と呼吸の通り道について、全員で1000回。

城崎レジデンス中に、一ノ矢さんから教わったこと。相撲の運足で「すり足」という用語が使われるようになったのはこの50年ほどのことで、昭和初期の本には「すり足」という言葉はなく、代わりに「千鳥足」という言葉が登場する。雪駄や下駄も引っ掛けて歩くとのこと。確かに、「つっかけ」とは足の指先に引っ掛けて履く履物もことを言う。地歌箏曲家の竹澤さんは、昨日大きな四股を1000回踏んで足に負荷がかかり筋肉痛とのこと。

ソプラノ歌手のあかねさんは、ミュージカルの指導で多忙な日々で、本番直前のホテルから参加。ホテルで配布していた読売新聞から、読書に関する記事を読む。読書とは他人に考えてもらい自らの思考を停止するという人もいるが、人といかに共感するかを育む機会でもある。舞台の仕事やワークショップなどをすると、そうした共感の大切さを痛感するという。JACSHA里村は、ポーランド語を音読。昨日、JACSHA野村が読んだデタラメなポーランド語と違って流暢に読む。やっちゃんが足を高くあげながら大きな四股を踏む。体が柔らかく羨ましく思う。JACSHA樅山がやっちゃんの家に滞在中で、(画面の外側でも)二人の姪とともに四股を楽しんでいたようだ。

四股と声の関係についても興味深い議論があった。竹澤さんは四股を踏みながら発声をすることで、声がよく出ていたのが、しばらく四股をしていなかったことで、声の出が悪くなったとのこと。四股の大切さを痛感したそうで、今日は地歌「海老」、「涅槃」、「蚤」を歌った。里村は「オペラ双葉山 竹野の段」で四股を踏みながら竹野町史を音読した。四股を踏まないで読む時に比べて、四股を踏んでいる時の方が腹から声が出ていて、説得力があった。あかねさんによれば、四股を踏むことで、呼吸の道が太くなる感覚があるそうだ。以前、貴乃花部屋を見学した時に、稽古の最後にヘトヘトになった時に、四股を踏んでいる時の掛け声に唖然としたそうだ。あとで力士に聞くと、「疲れすぎて腹からじゃないと声が出せない」とのこと。それですごい響き方がしていたのかと合点がいったとのこと。2014年に回向院で「レッツ相撲ミュージック」のワークショップをした時も、参加者の人々がほんの数秒腰割りしただけで、声がよく出るようになったことに驚いた。四股は声楽のトレーニングとして有効という新たな視点を得た。

9/26 四股1000 百五十二日目 九月場所十四日目 負けを続ける

5名参加。東京、京都より参加。新曲の作曲について、譜面が届かない窮地について、塾について、服部桜の連敗について、ポーランド語カウント、PCR検査について、粉を混ぜることについて、潔癖症について、フリートークで1000回。

大相撲9月場所(秋場所)14日目、abema TVで相撲を観戦しながらの四股。昨日、JACSHA野村とJACSHA里村が展覧会を見に行くと会場で、やっちゃんとばったり出会った。毎日、四股1000で出会っているが、里村とやっちゃんはリアルには初対面だった。あかねさんは、京大で働いている友人がいて、やっちゃんも京大で働いているので、知り合いではないかと気になっていたらしい。友人は医学部で働いているが、やっちゃんは東南アジア研で働いている。野村が、京大の東南アジア研で出会ったフィリピンのキュレーターDayang Yraolaは、今Composite by the Numbersというオンライン上の展覧会を企画していて、野村は現在そのための新曲を作曲中。コロナ禍の統計データをもとに楽譜をつくり演奏するという企画で、色々な国から20人のアーティストが参加している。

あかねさんは、今日の午後にレッスンをする曲の譜面が未だ届いていないらしく、気分がそわそわする。11月、12月、1月にそれぞれ別の曲を初演するが、その譜面も何一つ届いていない。だから、何かを準備したくても、何もできない。武士が戦いの前に座禅をして戦に備えたような心境。窮地に立たされた状況でできることは、座禅か四股くらいかもしれない。

やっちゃんの娘さんが、京大生が家庭教師的にやっている塾に喜んで通っているらしい。褒められるのがいいし、学校の教科にないような「自然」の授業があったりする。子どもの居場所になれる塾の存在が有難いように、そうした居場所としての式秀部屋に憧れて入門した力士もいるだろう。本日も式秀部屋の服部桜は、立合い当たると同時に、一直線に後退し、1秒後には勝負ありという速攻ならぬ速退相撲で連敗記録を更新した。勝ちを続けるのも素晴らしいことだが、負けを続けるのも突出した個性である。

あかねさんがパンづくりをする際、突然、松平さんが粉を混ぜることに開眼した話。その話から、手で握るおにぎりが美味しいのは、手にいるアミノ酸の効果だとか、ぬか漬けの話などになり、潔癖になり過ぎることの弊害の話などから、広大な敷地での単一種栽培などの弊害で気候変動などが起きている話にまで飛躍していく。多品種が並存する畑であれば、菌の多様性が得られてバランスが保たれる。大相撲の呼出しが型を教えないのも、各自が多様なアプローチで自分のスタイルを築くことで多様性を生み出すためだろう。今日も多様な話題に連鎖しながら、1000回を踏んだ。

9/24 四股1000百五十日目 九月場所十二日目 四股のおかげ

8名参加。東京、京都、大阪、沖縄より参加。150日目と城崎のレジデンス、ポーランド語テキスト、相撲実況、四股のおかげ、四股のおかげ2、イケメンとハンサムの違い、塩顔について、塩顔について、コントラバスのソフトケースについて、全員でのインプロヴィゼーションのうちに接続が切れて各自で踏んで1000回。

大相撲9月場所(秋場所)12日目、abema TVで相撲を観戦しながらの四股。祝「四股1000」150日目。ドスコナーレ!5ヶ月も続けると、体が変わることもある。地歌箏曲家の竹澤さんは、忘れ物を届けるためにダッシュした際に、以前では考えられない脚力で息もあがらず、四股の効果を実感した。コントラバス奏者の四戸さんは、NHKの太ももの柔軟性を鍛える講座を視聴した際、易々とできて四股の効果を実感した。四股による体質改善は嬉しい。四股で痩せるという報告もあれば、痩せないという報告もあり、個人差あり。

歌手のあかねさんは、連日、芸能人の若者たちと仕事をするため、イケメンとハンサムの違いについて考える。あかねさんにとって、呼出しの邦夫さんは、イケメンというよりはハンサム。単なる見た目だけではなく、知性を感じる。呼出しイケメンランキングのサイトで啓輔が一位。一方、箏曲家のゆうじさんは、出会いのアプリで出会った「塩顔」は、どんな顔かと問いかける。それに対して、やっちゃんは、さっぱりした顔なのではないかと推測する。ガラムマサラ顔とかもあるのだろうか?

竹澤さんが四戸さんにコントラバスのソフトケースの値段について質問した。箏のソフトケースが27,000円で、それよりも大きい十七絃のケースの方が若干安く25,000円。では、さらに大きいコントラバスはどうなのか。通常は、3万円程度で高いものは56,000円とかするが、ハードケースは40万など。ハードケースはケースだけで20kgで、昔のものだとケースだけで40kgという重量らしい。大相撲を観戦しながら、大きな楽器の重たいケースの話をするのも面白い。

沖縄に移動したJACSHA鶴見は、平良さんの車でワークショップ会場に移動していった。鶴見先生!

相撲を観戦して、勝負が決まった瞬間に各自が「勝負あり」と言うと、ずれるので、「勝負あり」のカノンになる。同時は同時ではない。アインシュタインの特殊相対性理論の世界を疑似体験できて楽しい。

9/23 四股1000 百四十九日目 九月場所十一日目 作曲の立ち合い、譜読みの立ち合い

 6名参加。東京、茨城、京都、大阪、沖縄より参加。PCR検査キットの説明、PCR検査の予約の説明、オランダ語の詩、石川県出身の引退力士、数字カウント、ポーランド語のテキスト、作曲の立合いについて、譜読みの立合いについて、全員でのインプロヴィゼーションで1000回。

 大相撲9月場所(秋場所)11日目、abema TVで相撲を観戦しながらの四股。JACSHA鶴見は本日、空港の待合室からの参加。四股を踏んでいるうちに、待合室に誰もいなくなったそうだ。不審がられて離れていったのか、それとも偶然かは不明。JACSHAの城崎でのレジデンスが来週より始まるため、PCR検査をして陰性の照明が必要のため、鶴見はPCR検査キットを取り寄せ、本日、唾液で検査の後、発送。数日後に結果が出ると言う。一方、JACSHA野村とJACSHA里村は、既に京都の病院に検査予約済み。対面を避けて検査ができる仕組みは、日本独自のラブホテルの方式に通じる。

ピアニストの平良さんは、オランダ語の詩「沈黙」を再び読んだ。神という言葉がなんども出るが、娘さんへの詩であるらしい。七尾市出身の地歌箏曲家の竹澤さんが石川県引退力士で、七尾市出身の栃乃洋が最高位関脇であることを惜しがる。関脇から大関への壁は高い。

里村のポーランド語テキスト音読の背後で、野村がポーランド語でカウントをし、相撲の音とポーランド語2声のポリフォニーを生み出そうとしたが、弱い声で発したつもりの野村の声量が聞こえすぎたようだ。声量のバランスは難しい。しかし、里村はポーランド語の音読に熱中していたので、野村がポーランド語でカウントしていることに気づかず、野村がジェベンジェショントピエンチ(95)とカウントした時に、「そろそろ100かな」と言った。日々続けていると、数えなくても100が体感できるようになっている。

1勝3敗同士の取組が多く、負けると負け越しで来場所の番付が降格することが確定するため、大事をとっていつもより長い相撲が多い。思いっきりの良い立合いの話から、作曲における立合いの話になる。作曲に着手する時に、なかなか作曲に取り組めないで〆切が近づいてくることもあるが、野村は、作曲を始める(=作曲の立合い)を迷いなく、すぐに立てるように心がけている。立ち遅れると、すぐに土俵際に持っていかれるので、〆切よりも遥かに前に、立合い前に出ることを心がけている。

すると、演奏家にとっては、譜読みの立合いの話になった。コントラバス奏者の四戸さんは、ギリギリまでやらないで、だいたい次の日の曲を前日に譜読みすることが多いとのこと。もちろん、かなり前から見ないと難しい新曲では、そうではない。大相撲の力士たちも、翌日の対戦相手について、前日になって対策を立て始めるギリギリ派もいるかもしれないし、遥か前から入念に対策を練っていくタイプもいるだろう。

音楽家でない里村から、「譜読みとは?」という質問があり、平良さんが「楽譜を読んで曲を理解すること、伴奏の時は歌詞の意味も調べて言葉と音の関係なども読み解く。テクニカルなことよりも音楽的な内容を譜面から読み解く作業」と説明。クレッシェンドと書いてあっても、その裏にある作曲家の意図は何か、譜面を立体的に読んでいくことが重要になる。平良さんはオランダ留学でタイプの違う二人の先生につくことで、譜面の読み方を体得したそうだ。一方、野村は作曲家なので、譜読みする時は、ついつい作曲家がどのように作曲したのだろうと、譜面から作曲中のプロセスを想起することが多い。作曲の立合い、譜読みの立合い、今までなかった視点が得られたのも、長い相撲が多かったからだ。全勝同士の獅司ー北青鵬も、力の拮抗した長い相撲になった。