7/22 四股1000 八十六日目 七月場所四日目 立ち合い前の所作

 8名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。七月場所四日目序二段の取組を観戦しながら実施。本日のカウントは、日本語の数字、ピアノ四股、宮城道雄小曲集「みよしのは」、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、「サイレンス」(ジョン・ケージ著、柿沼敏江訳)、取組実況、全員のカウントで1000回。

 相撲中継を見ながら初参加となった、歌手の松平敬さんは、取組前の力士の気分になったという。花道で、23番後に取組を控えて落ち着かない感じ。面白い感想だ。ステージ袖での本番前の時とリンクするのだろうか。取組前の力士の気分はあまり想像したことがないので、次に実践してみたいと思う。

 JACSHA野村が毎日音読している、木村朝之助さんとのトークは、名残惜しくも遂に終了。201710月のトークが実現できたのは、翌年2月に開催された朝赤龍引退断髪式の準備のために、朝之助さんが秋巡業をお休みしていた貴重なタイミングであったのだ。断髪式にはJACSHAも四股1000メンバーも駆けつけた。トークの中で、行司は人と人の間に入る仕事で、力士の結婚式などのイベントの制作業務も請け負うとおっしゃっていたが、断髪式当日も朝之助さんは館内でお忙しそうにお仕事をされていらっしゃった。高砂部屋フル稼働のこの日はファンにとってはたまらなく、引退相撲は花相撲ともいうくらいなので、いつもの大相撲観戦に比べて一層賑やかに、華やかに、音楽的な声援を送って楽しんだことも懐かしい。こんな風にして相撲を楽しめる日が今後来るのだろうかと、今場所の様子を思うと心配になる。

 1000回踏んだあと、力士が四股名を呼び上げられてからの一連の所作を、中継を見ながら真似してみた。土俵に上がり二字口で黙礼、赤房白房の下で四股、二字口で塵手水、仕切り線で上段の構え、蹲踞、仕切り、蹲踞、立ち合い、といった流れで、立ち合いまでにやることがいっぱいあって大変だ。関取以上はこれに塩が入って何度も仕切る。相撲を取るまでにエネルギーを消耗してしまうのではないかと思うが、この所作によって心身が一つになり、力士と行司の息が合って行くのだろう。疲れが先行せず気持ちが落ち着いて行くほどに、この動きの流れに慣れてみたい。

四股ノオト
7/22 四股ノオト

7/21 四股1000 八十五日目 七月場所三日目 装束

 9名参加。東京、神奈川、茨城、京都より参加。七月場所三日目序二段の取組を観戦しながら実施。立ち合い前の一連の所作を真似してから開始。本日のカウントは、日本語の数字(取組実況、声援、普通、テンポチェンジ)、ピアノ四股、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、近況の語り(バランスディスク、コンタクトレンズ)、六甲おろし、全員のカウントで1000回。

 初日に引き続き大相撲観戦四股1000。今日は序二段の取組を見ながら、カウントを続けて行った。あまりカウントを入れずに、行司さんや呼出しさんの声に耳を傾けたり、声援を送ったり、コメントを入れたりして、最後の100回は新屋敷ー朝乃土佐戦を実況しながら終了。JACSHA野村は、行司さん達の装束の丈が短いので、腰割れ具合や姿勢がよく見える、軍配を返す所作をしながら四股を踏んだり、力士の四股を見ながら腰を下ろしてみたり、取組中のテッポウを真似したりなど、土俵上の動きをコピーしながら四股を続けたそうだ。野村は相撲の経験があるので、今後は取組実況にも期待。JACSHA鶴見は、四股1000を始める前と比べて、力士の重心や、取組中の優劣、この後どうしたいのか、と言った力士の動作が分かるようになってきた気がするそうだ。

 野村が毎日音読している、木村朝之助さんとのトークは、装束の話題。オリジナリティあふれるポップなコノミヤ(スーパー)のマークの装束。十両昇進の時に、コノミヤの会長さんが作ってくださったそうだが、会長さんが宣伝のつもりでマークを使ってくれとなどとは一切言わず、会長さんのご希望は白地に金か銀のもので、いいものを作って欲しい、紋は任せるということだったので、コノミヤのマークを使わせて下さいと、朝之助さんからご提案されたそうだ。夏物は、この白地の金と緑の二着あるそうだ。毎日の装束に注目するのも楽しみである。

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7/21 四股ノオト

7/19 四股1000 八十三日目 七月場所初日 コロナ対策舞台

 7名参加。東京、茨城、京都、大阪、福岡、沖縄より参加。本日は大相撲七月場所初日。四股1000が始まったのは、コロナ禍のステイホーム中心真っ只中の428日。五月場所は中止になったので、本場所開催中の四股1000は初めてとなる。日曜日は17:00開始のため、幕内後半戦を画面共有しながら進行した。まずは後半戦最初の取組、炎鵬ー竜電戦を見てから、阿炎ー北勝富士戦の仕切りの間に四股を踏み、立ち合い直前に四股をやめて相撲を見る。勝負が着いたら四股を再開する、といった要領。仕切りの時間中に大体100回踏めるのだが、ちょっと足らなくなったり、足りそうだけど立ち合いのドキドキを楽しみたいので、早めにカウントを止めて相撲に集中するなどして、四股を踏みながら相撲鑑賞も楽しみ、遠藤ー鶴竜戦の仕切りの時間中に1000回終了。相撲鑑賞をしながら四股1000回の充実感はよく分からないが、無理なくできるのは間違えない。火〜土曜日は、午前中の四股1000なので、序二段〜三段目の相撲を見ながらやる予定。

 大相撲はコロナ感染防止対策が入念に行われて開催されている。最近各地で再開されてきている音楽のコンサートもだ。四股1000メンバーから、コンサートがどのように行われているのか、観客サイド、演奏家サイドから感想や情報交換をした。舞台上で演奏家達ははソーシャルディスタンスを保ち、これまでよりひとり一人が離れて配置されている。それによりこれまでとは違って聞こえる響きが、計算されたものなのか、そうじゃないのかが観客からは気になったそうだ。演奏家は、一音一音はしっかり聞こえるが、一体感がない、演奏しやすいが熱くならない、という感覚だという。音楽を演奏する時の距離感はとても大事だと思うので、演奏側も聴く側も、これまでとは違った感受性を得ていくのだろうと思う。

 大相撲の客席では、飛沫感染防止のため声援は送れないので、何があっても拍手で応答をしている。今日見ただけでも、その様子はまるでコンサート。随所随所でいろいろな種類の拍手が沸き起こる。この雰囲気もいいなぁと思う一方で、コンサートもそもそもは、拍手だけでなく、お客さん達は思い思いの声援を送りながら賑やかに楽しんでいたのに、今回のコロナのように、何かをきっかけに拍手しかしなくなった、という抑圧された歴史があったのでは?とも思える。なので逆に今場所の相撲のように、せめていろいろなバリエーションの拍手で随所随所で応答するようなコンサートがあってもいいのかな、などと、鑑賞の仕方も多方面に影響をもたらす場所でもある。しかし、実は拍手も結構危険、という実験結果も聞いたことがあるので、拍手さえも禁止にならなければいいけど。

7/18 四股1000 八十二日目 手刀、禹歩

 7名参加。東京、茨城、京都、福岡より参加。背伸び、セカンドポジションでドゥミプリエ(腰割り)、ルルベ、ファーストポジションでドゥミプリエ、ルルベ、グランプリエ(蹲踞)から開始。本日のカウントは、日本語の数字(ノーマル、手刀)、祝詞・方屋開口、「世界遺産時代の村の踊り」(星野紘著)717日読売新聞朝刊スポーツ欄「新大関に対する期待」、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、宮城道雄三味線練習曲「寝覚め」、全員のカウントで1000回。

 ダンサーの砂連尾さんは、合気道の手刀(しゅとう)を入れた四股をリードしてくれた。片手で、または両手を合わせて、腕を真っ直ぐに振り下げる。四股のように、自然に腕の重みでおちるのがポイント。腕で振らない。下腹に効くという。合気道経験のある評論家の松平あかねさんは、腹が定まらないと腕が止まらない(コントロールできない)という。JACSHA鶴見は、おそらく腕で振っていたせいで、両手の手刀が相当堪えたらしいが、体の中心線を具体的に感じたという。また、この手刀は、岩槻の子ども古式土俵入りの「アコノ」の所作、ねってい相撲の拳を突き上げる時の所作と類似しているので驚いた。相撲にも手刀(てがたな)を切って懸賞金を受け取る所作があるし、手刀はこれからのキーワードの一つだ。

 文化生態観察家の大澤さんが読んでくれた「世界遺産時代の村の踊り」では、反閇(へんばい)の足運びと、禹歩(うほ)を知った。禹歩は、左右左、右左右、左右左の九歩を踏む。一歩ずつ、臨(てん)・兵(ひょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(うい)・陣(じん)・烈(きつ)・在(ざい)・前(ぜん)、と唱えるそうである。一歩ごとに文字や意味が当てられているとしたら、四股の一歩の味わい方もかなり変わるだろう。九歩というのも、先の手刀に続き、ねってい相撲と大きな共通点である。反閇や禹歩に関連する、奥三河の花祭りの、神事やエネルギッシュに足踏みをする舞などの、一連の儀式を記録動画で見てみると、相撲も舞なのだな、もしくは、舞も相撲なのだな、と自然に思えてくる。

 本日は大相撲七月場所の土俵祭り。JACSHA鶴見は土俵祭りで奏上される祝詞の後半と、方屋開口(かたやかいこう)でカウントした。四股1000稽古が始まる時間のちょうど前に、土俵祭りがライブ配信されていたので鑑賞したが、土俵周りで儀式に立ち会う親方衆や行司さん達は、マスクをつけてソーシャルディスタンス。三月場所と同じくお神酒のふるまいはなかった。クライマックスである、2組が連れ立って演奏する、触れ太鼓土俵三周は、よく響く館内の四方八方からリズムがこだまするので、スティーブ・ライヒの「ピアノ・フェイズ」が幾重にも重なるような、複雑で立体的なリズムで飽和し、自分の前に来れば2組が重なって聞こえる気がする「触れ太鼓フェイズ」は、生で聞いても中継で見ても圧倒的なフィナーレ。最後の最後は清廉な拍子木の音で終了する。

 というわけで、明日からいよいよ大相撲七月場所から始まる。松平あかねさんは、読売新聞の「新大関に対する期待」を読んでくれた。新大関の場所でいい成績を残す記録は少ないそうだが、大勝ちして早くも次の地位を目指して頑張ってほしい。楽しみな十五日間が始まる。四股1000も相撲を見ながら実施する予定なので、進行の仕方がガラッと変わるだろう。楽しみな十五日間だ。

7/17 四股1000 八十一日目 大学生は行司になれない

 9名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。本日のカウントは、軍人節、日本語の数字、グレゴリオ聖歌「クレド第3番」、「迷信博覧会」(種村季弘著)、宮城道雄三味線練習曲「寝覚め」、インテグラル・ヨーガ(サッチダーナンダ著、伊藤久子訳)、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、鳥羽一郎「カサブランカ・グッバイ」、全員のカウントで1000回。

 全国各地で湿度の高い日が続き、無理なくできる四股1000回でもたくさんの汗をかき、息が切れるようである。京都で は80%ほどあるらしい。多湿だ。通年で多湿の沖縄では100%に達する日があるそうだ。そんな日は、紙はフニャフニャになり、鉛筆が紙に写らないので作曲ができないという。高温多湿の中で行うホットヨガがあるが、最近はまさにホット四股の日々と言えるだろう。

 JACSHA野村が毎日音読している、木村朝之助さんとのトークも佳境に入ってきた。行司の入門条件の年齢制限により、大学生は行司になれない。相撲文字にビビッと来て入門を考えたが、高卒では続けるのは難しいと言われ(当時は中卒での入門が多かった)、それでも高校を卒業して意を決して入門し、十両格行司に出世された木村朝之助さんは、これから行司を目指す若者の鏡である。明日は七月場所初日前日に行われる「土俵祭り」が行われる。行司さん達が、相撲の神様をお迎えする神事を司る。十五日間の安全を祈願し、土俵を開く。人と人の間に入るのが行司の仕事だと朝之助さんは教えてくれたが、土俵祭りでは神様と人の間に入るのだろう。

四股ノオト
7/17 四股ノオト

7/16 四股1000 八十日目 実は同じもの

 8名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。本日のカウントは、琉球舞踊曲「秋の踊り」、グレゴリオ聖歌「クレド第3番」、716日読売新聞朝刊スポーツ欄「小兵力士 力で負けず」、地歌「ねずみの道行」、オランダ語の数字、日本語の数字、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン(公益財団法人日本相撲協会)、全員のカウントで1000回。 

 歌手の松平敬さんのクレド、地歌奏者の竹澤さんの「ねずみの道行」を聞きながらの贅沢なラグジュアリー四股に酔いしれる。松平さんと竹澤さんと言えば、このレポートにも何度か書いた、クレドと六段のアンサンブル案がある。箏曲「六段」は隠れキリシタンがグレゴリオ聖歌のクレドの伴奏として作ったと言われ、同時に演奏することができるらしいのだ。クレドのメロディが、六段のテン・トン・シャンと合うのかもと竹澤さんがおっしゃるので、お二人にお願いし、クレドと六段を少しだけアンサンブルしていただいた。すると!合ってる感じがする!それぞれは全く別の独立した音楽であるようで、ベースは同じ作品なんだと伝わってくる感動があった。別の文化のフリをして実は同じもの(あかねさん)、南アメリカ大陸とアフリカ大陸がくっついた!(敬さん)、ような感動である。隠れてやる時のクリエイティヴィティにもグッとくる。そこで敬さんから、コロナ禍の環境でよく行われているリモート演奏アンサンブル動画を、これでやったらどうだろうと提案下さった。なるほど、リモートという趣旨にはまさにぴったりの内容である。隠れ四股たんのクリエイションにも一層気合が入る。

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7/16 四股ノオト

7/15 四股1000 七十九日目 かるかや

 7名参加。東京、神奈川、茨城、福岡より参加。腰割りから開始。本日のカウントは、新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン(公益財団法人日本相撲協会)、「軸とハラを鍛えれば必ず強くなる!」(高岡英夫著)より熱闘力系、「戦争と農業」(藤原辰史著)、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、宮城道雄三味線練習曲「忘るなよ」(三下り)、読売新聞714日夕刊寸評、般若心経、全員のカウントで1000回。

 JACSHA世話人里村が連日読んでいる「説経節」と、、流れるようなしなやかな振り付けで踊られる、古いタイプの盆踊りが残っていて、そこに石堂丸が登場するということだ。男が笛や太鼓の伴奏をし、女が踊る。娘をなぐさめるような所作で、どの世代の人が踊っても少女のように見える踊りだそうである。しかし現在は、本来の踊りを伝えられる人が減っているという。盆踊りと相撲甚句は繋がりがあるようなので、継承が途絶えそうな古いタイプの盆踊りには一層興味が湧く。一度訪れてみたい。

 また、里村が読んでいる説経節は「かるかや」であるが、「かるかや」という独特の響きに、地歌奏者の竹澤さんJACSHA鶴見は、何かで歌ったことがあるなと心当たりがあり、竹澤さんは地歌の「虫の音」の中で、〜桔梗、苅萱、女郎花(ききょう、かるかや、おみなえし)〜、という七草が登場すると教えてくれた。鶴見は沖縄の舞踊曲「秋の踊り」で、〜出づる野原の 桔梗苅萱 萩の錦を〜と歌うところがあると、歌ってくれた。日本語の歌詞なので、地歌と繋がりがあるかもと思ったが、歌としては大分違うということが分かった。

 鶴見が読んだ相撲協会のガイドラインは、有観客での七月場所開催発表となった713日付であるが、この何ヶ月もの間、相撲部屋の集団生活や他の協会員の人達がいかに厳しく対策をして暮らしてきているかがうかがえる。『歯ブラシの先が互いに触れないよう、洗面所ほか置き場所を工夫する』『大部屋で就寝時は、可能な限り、頭が互い違いになるようにする』『床山に髪を結ってもらう間、力士は必ずマスクを着用する。耳の回りを整える時には、本体を口に当てたまま、両手で紐を持って浮かせ、その間に整える』『目的地への往復の最中は、どこにも立ち寄らない』など。生活の細部に渡っている。今場所も相撲協会の皆さんが健康で十五日間無事に開催出来ることを願う。

四股ノオト
7/15 四股ノオト

7/14 四股1000 七十八日目 行事の記憶

 8名参加。東京、茨城、京都、福岡より参加。壁の股割り、ルルベ、ドゥミプリエ、腰割りから開始。本日のカウントは、大相撲七月場所観戦要綱(触れ太鼓顔触れ口上風、場内アナウンス風)、七月の星占い(鏡リュウジ)、日本語の数字(普、乗っかりそうで乗っからないノリ)、三橋美智也「古城」、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、ハナモゲラ語、全員のカウントで1000回。

 JACSHA野村が連日音読している木村朝之助さんのトークでは、行司さんの土俵上での一連の所作と同じく、場内アナウンスも事前練習をすることなく、本番の実践だけで研鑽を積んでいくことが分かった。呼出しさんの呼び上げもそうであるらしいから、春巡業もなく、五月場所も開催されず、本番がなかった丸4ヶ月の長い期間は行司さんや呼出しさんにとっては大変なことだと思う。特に、入門したての若い方々は、巡業で番数をこなして切磋琢磨するというから由々しき事態だ。

 相撲だけでなく、コロナ禍の影響で、今年のお祭りや行事が中止になるケースは多い。一年に一度のお祭りでは、本番前に一年前の記憶をみんなで徐々に思い出しながら練習していくことがある。一年前の記憶もあやふやなのに、今年中止になったら、行事や伝統の記憶や継承が途絶えてしまうピンチは、全国各所の共通した課題だろう。三年、十年、十二年に一度、といった長いスパンの行事もあるわけだから、それらが中止になったら本当に途絶えてしまうかもしれない。

 昨日、大相撲七月場所が観客ありで開催されることが発表されたことと、今日からチケット予約販売が始まったことを受け、JACSHA鶴見は、コロナ渦で開催される相撲独特の観戦概要を、始めと終わりを触れ太鼓の顔触れ口上風に、内容を場内アナウンス風に読んだ。「相撲が本日はチケット販売じゃんぞーい」に始まり「御油断では詰まりますぞーい」で終わる。触れ太鼓は本来、初日の前日に行われ「相撲が明日は初日じゃんぞーい」と触れて回る。「御油断では詰まりますぞーい」とは、うかうかしてると満席になっちゃいますよ、チケット売り切れますのでお急ぎください、の意であるが、今の相撲大人気の時代では、初日の前日にはすっかり詰まっている状況であるので、チケット販売に合わせた今日に触れるのは理にかなっているといえる。

 東京でコロナ感染者が増えていている中での有観客開催は、「行きたいけど行ってはいけない」というような複雑な心境でいっぱいになる。他で始まっている有観客興行はどんな状況かというと、プロ野球では、座席を開けて着席しているお客さん達は、うすい声援で盛り上がりにくそうだが、楽器や鳴り物の応援がないので、相撲の立ち合い時のように、ピッチャーがボールを投げる時にスッと静かになり、一投一打の勝負に集中して観戦できるという。オーケストラのコンサートでは、市松模様に配置された座席は音楽に集中できるという。また、会場で久々に知り合いにあっても、控えめな奥ゆかしい交流が楽しかったという感想も。大相撲は無観客だった三月場所では、ゲネプロを聴いているような、よく響く豊かな相撲音をテレビやネットやラジオ楽しむことができ注目された。七月場所も、定員の25%の観客数だから、今回も豊かな音を楽しむことができるだろう。声援、力士や親方、裏方さんとの交流、ワイワイ飲み食いを楽しむ、独特の臨場感、とにかく楽しくはしゃぐ、など、相撲の取組そのもの以外の、これまでの生観戦の楽しみがほとんど出来ない観戦となるわけだから、前向きに新しい楽しみ方、新しい相撲聞の魅力を探求したいと思う。