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(稽古休み)
Japan Association of Composers for Sumo Hearing Arts
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(稽古休み)
6名参加。東京、京都、大阪、沖縄より参加。ルルベ、ドゥミプリエ、グランプリエ、壁の股割り、腰割りより開始。七月場所千穐楽序二段〜三段目の取組を観戦しながら実施。本日のカウントは、千穐楽的な沖縄民謡(唐船どーい、弥勒節)、2016年12月6日JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、沖縄県内のコロナ感染状況について(高山義浩)、十三弦箏と十七弦箏の即興取組、五弦コントラバスと十七弦箏、四弦コントラバスと十三弦箏の即興取組、全員のカウント(即興演奏)で1000回。
昨日の七月場所十四日目、幕内優勝争いを左右する結びの一番の、朝乃山ー照強戦の番狂わせは尾を引くものだった。見るからに朝乃山は緊張していた。JACSHA野村は演奏家に例えた。緊張している時にトライアングルは叩きたくない。たしかに、震えるような手で、トライアングルの繊細な一音を細心の注意を払って演奏しなくてはならないプレッシャーは計り知れない。照強はトライアングルのようだったのだ。それに比べると、大太鼓だったら緊張していても思い切り演奏できるだろう。本日の大事な結びの相手は正代だから、大太鼓を演奏するように正攻法で思い切り相撲を取って欲しい。
JACSHA鶴見は、千穐楽的な沖縄民謡2曲でカウントした。沖縄本島では「唐船どーい」で賑やかに踊りながら千穐楽。石垣島など八重山地方では、八重山民謡の第九ともいわれる「弥勒節」(みるくぶし)で、しみじみと千穐楽となり、地方によって1イベントを締めくくる音楽や雰囲気が違うそうだ。
JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムは、昨日に引き続き、さいたまトリエンナーレでの「まちなか太鼓まわり」のこと。大相撲の櫓太鼓がかつては両国から品川まで聞こえたことや、触れ太鼓が野外を練り歩き、明日から相撲が始まるお知らせをする、という遠くから太鼓が聞こえるサウンドスケープに憧れ、2チームに分かれた触れ太鼓隊の音色が、岩槻のあちこちから聞こえてくる想定をしていた。しかし現代の屋外の音環境は、車などの騒音が充満し、高層の建物が音の伝達を阻むため、太鼓の音は余程近づかないと聞こえてこなかった。現在国技館の櫓太鼓も聞こえる範囲は半径数十メートルほどである。なので、触れ太鼓隊の数を増やすなどの、今後の課題が検討されていた。
JACSHA世話人里村が連日音読している「説経節」は、弘法大師が凄い、という劇中劇のような部分。子供の頃は俗称を金魚丸と名付けられた。四股名のような可愛いネーミングである。鶴見は相撲を見ながら、〇〇丸という四股名の力士はもれなく丸っこい、と言っていたが、弘法大師の肖像画や彫刻を思い出してみるとなんとなく丸っこい印象がある。また鶴見が歌った弥勒節とリンクして、弥勒菩薩が登場した。
ピアニストの平良さんは、沖縄でのコロナ感染状況の記事を読んだ。平良さんは沖縄在住で、鶴見と共に沖縄で音楽ワークショップを行なっている。そのために数日前から鶴見は沖縄に滞在しており、昨日と今日はワークショップのために四股1000は休場の予定であったが、緊急事態宣言が発令されワークショップは中止となり、昨日も今日も出場できている。刻一刻と悪化している状況は本当に心配だ。
地歌奏者の竹澤さんは、体の両脇にお箏の十三弦と十七弦を立てかけ、なんと十三弦と十七弦の即興取組演奏をしてカウント下さった。それに触発されたコントラバス奏者の四戸さんは、五弦コントラバスと十七弦の箏を呼び上げ、違う弦楽器同士の取組即興演奏が始まった。勝敗は、コントラバスの弓を使ったことが武器とみなされ、反則負け。続いて、四弦コントラバスと十三弦箏の取組では、寄り切って四弦コントラバスの勝ち。それぞれの楽器のイメージ力士として、十三弦箏は阿炎、十七弦箏は照ノ富士、四弦コントラバスは琴欧州、五弦コントラバスは碧山である。
ラスト100回は、四戸さんがコントラバスでマーラーの葬送行進曲を弾き始め、それに続くように竹澤さんの箏や野村のバス鍵盤ハーモニカが呼応していくセッション。四股1000は無理なく楽しめるものだが、四股は力士にとって辛く苦しいものであろう、という四戸さんの思いで、修行感のある葬送行進曲を演奏下さった。他のおすすめ曲は、ムソルグスキー作曲「展覧会の絵」より「ビドロ」。牛車で重い荷物を背負っていく感じが四股に合うのではないかと。
七月場所を観戦しながらの四股1000は、お相撲さんの四股や相撲の動きから触発されてメンバーそれぞれの体にフィードバックされる、という身体的な影響もあれば、相撲と音楽のセッションを様々に試して楽しんだ、貴重なクリエイションタイムでもあった。今日で千穐楽なのは寂しい限りだが、九月場所は9/13が初日。それまでとにかく四股を踏み続けて行こう。
10名参加。東京、京都、福岡、沖縄より参加。七月場所十四日目序ノ口〜序二段の取組を観戦しながら実施。本日のカウントは、弓取式パフォーマンス、2016年12月6日JACSHAフォーラム、「説経節かるかや」(伊藤比呂美現代語訳)、開脚ができるようになる方法、日本語の数字、ゲーム音楽、三段目優勝決定戦の期待、のカウントで1000回。
JACSHA鶴見は、ヴァイオリンの弓で弓取式をした。昨年12月に小川和代さんが初演した「毛弓取り甚句」を作曲したときに、弓取式を研究し、所作のメモが残されている。パフォーマンスとしてとてもよかったので、今後のJACSHAのイベントでもやってみたい。「毛弓取り甚句」は、弓取式の所作を演奏や音に置き換えたそうなので、演奏の横で鶴見が弓取式をするのもいいだろう。
JACSHA野村が連日音読しているJACSHAフォーラムは、さいたまトリエンナーレでの「まちなか太鼓まわり」のこと。触れ太鼓が3チームに分かれて、岩槻区内を回った。同じトントンストンのリズムであるのに、鶴見・呼出し邦夫チームはぶら下げ楽器が二基あったため太鼓を叩きまくりだったし、野村・神田チームはぶら下げ楽器が一基であったので、鍵ハモなど手持ちの楽器がたくさんあり音色豊かであった。こうしてトントンストンだけでもバラエティがあり、ポリフォニック岩槻の歌をやってみたい、という当時の詳細は、フォーラムを聞き直して思い出されたため、フォーラムの重要性を確認する。四股1000はもうすぐ百日目となるから、記念のJACSHAフォーラムを開催したいということになる。
JACSHA世話人里村が連日音読している「説経節」。相撲と全然違う話を相撲と同時に聞くというのも面白い。鶴見は相撲の世界に遠近感が出るような感じがするといい、里村は、今より前の時代の精神性がパラレルになるようだという。ピアニストの平良さんが読んでくれた「開脚ができるようになる方法」を聞きながら相撲を見ると、夢だった股割りが本当にできるようになる気もしてくる。
歌手の松平敬さんは、小型のシンセのサイン音で、ピコピコ音楽やスーパーマリオなどのゲーム音楽を演奏した。しかしほどなくして、相撲中継がCMに入ってしまい、取組とスーパーマリオの相性が見られなかったため、感想戦で野村が鍵ハモで取組を見ながらスーパーマリオを演奏した。音色は違うものの、なんとなく罪悪感を感じつつの相撲鑑賞になるのだが、だいぶ面白い。
地歌奏者の竹澤さんは、三段目の優勝決定戦、深井ー夢道鵬での深井優勝と、朝乃山最高優勝と、高砂部屋のダブル優勝に期待を寄せるカウント。七月場所の優勝争いはかなり盛り上がって来た。連日ハラハラドキドキであるが、泣いても笑っても明日が千秋楽。楽しみだ。