鶴見部屋の四股ゆんた、四股三線

 沖縄の鶴見部屋(JACSHA鶴見が親方の歌三線道場)では、たびたび四股を踏んだり相撲を取ったりしてきたが、今夜の山稽古(稽古場以外で行う稽古)では、日々のオンライン四股トレ1000回で自分のカウント100歩分が回ってきた時に励んでいる、四股ゆんた、四股三線を弟子達に伝授し、実践してみたところ、大変に盛り上がった。いつも以上に声が出るし、姿勢が良くなる。

 鶴見部屋の稽古は、コロナ禍の外出自粛や3密回避に伴い、この二ヶ月間はオンライン稽古を続けてきたが、室内を避けて爽やかな屋外で晴れてオフライン。久々に皆で声を合わせられただけでも嬉しかったのに、気持ち良くて楽しすぎて感動がとまらない。四股を踏んで体のバランスが良くなるし、歌も上手になるし、良いこと尽くめである。

 オンライン四股トレ1000回も、コロナ禍に影響されて始まったわけだが、鶴見部屋で久しぶりのオフライン稽古の大きな喜びを経験してしまうと、この四股トレ1000がいつしかオフラインで実践できる時、どのようなことになるのかが非常に楽しみになっている。(JACSHA鶴見)

 

6/2 四股トレ1000 三十六日目 チカラと力(リキ)

8名参加。日本語の数字、三味線練習曲、ポーランド語の数字、四股についての朗読、新幹線の遅さ/速さ(四股旅)、四股テッポウゆんた(股割りぬ すり足 腰割りヨー)のカウントで1000回。四股についての朗読では、お尻(梨状筋)に力を入れないほうがいいことを知る。梨状筋とはなにか、図解で見てみたが、どの辺か分かっても、お尻の場所はいろいろあるので、そこをを意識しようとする、しないようにする、というのはなかなか難しい。チカラと力(リキ)は意味が違うことも知る。[1]チカラのチは魂、力(リキ)の漢字は腕の形から来ている。四股では、リキの筋肉よりは魂を充実させるのが重要だ。打楽器奏者の神田さんは、ここ数日自宅でゆっくりと大きな四股を踏んでいて、今日数日振りに小さい佐川流を踏んでみると、最初は足の重力を感じられず、軽く感じてしまうのはなぜなのか分からなかったが、1000回踏み終わったら、足って重たいんだなと感じたそうです。箏奏者の澤村さんは、いつも鉄道や航空関連のカウントで、四股を踏みながらの旅を楽しませてくれる。今は旅にはいけないので、これを四股旅と命名し、明日からもきっとどこかへ連れて行ってくれる。この四股トレPR用に撮影を計画しようと計画する。


[1] 元一ノ矢著《お相撲さんの”腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密》p.164より

「日本語のチカラの『チ』は、漢字をあてはめるとすると『魂』です。それに対して漢字の『力(リキ)』は腕の形からきているので、どちらかというと筋肉の緊張に近い。だからチカラを入れるというのは、決して筋肉を緊張させてリキを入れることではなくて魂を充実させることなんだろうと思います。」

四股ノオト
6/2 四股ノオト

6/1 四股トレ1000 三十五日目(4/28起点) 手の腰割り

10名参加。お米の炊き方、短歌、口三味線、四股についての対談朗読、ポーランド語の数、日本語の数、空港・機内アナウンス、元素、歌三線カウントで1000回。四股をしながら、四股についての朗読ーー五角形のアーチのように腰を割ることで背中がスッと伸びる、重力を使って上に向かうエネルギーを生み出す、人間と猿の骨盤の違い、四股の語源は「しこる」(力を入れる)などという言葉が耳に入ると、指導ではないので不思議な気持ちになりながら体が応答する。今日はコントラバス奏者、四戸さんが初参加。相撲を意識して演奏される方で、『丹田に意識がいけば、体が自由になって演奏することができる』という。彼女のカウントもまた合わせやすく、心地よく踏むことができた。1000回四股後のアフタートーク(感想戦)では、コントラバスのハイポジションは、手の甲を力を入れずにアーチ状にして重心をかけると、楽に押さえることが出来ると教えてくれた。足の裏が土を踏みしめるように、指を下ろすのだそう。まさに手の腰割り。JACSHAは無理のないポジションで行う手の腰割りのためのエテュードを作曲せねばならないと思った。JACSHA樅山は、手と手を体の前で合わせて押し合いながら四股を踏むと、体全体がブリッジのように支え合って気持ちいい、という新しい動きを発見した。「しこる」という言葉の応用に、イタリア語風に「シコーレ」ポーランド語風に「シコバッチ」の提案。このように、真面目な四股に関する考察が感想戦で繰り広げられる。

四股ノオト
6/1 四股ノオト