6/21 四股1000 五十五日目 夏至股夜四股

 夏至と新月の本日は特別稽古「夏至股夜四股」。暗闇での四股踏みはどんな感覚なのだろうということから発して、新月なので夜は真っ暗になるだろうし、合わせて一年で一番日が長い日の夕暮れの、全国各地の時差を共有しながら楽しもうと企画した。19:00から20:00の間に、オンライン中継の風景はそれぞれの美しさで次第に変化していった。

 この四股1000は、コロナ禍の影響のステイホーム期間中に始まったため、一人ひとりがオンラインで繋ぎ、基本的に自宅で実施しているが、19日に都道府県をまたぐ移動が解禁になったこともあり、近隣の参加者同士が野外に集合して、稽古開始から五十五日目にして初のオフライングループ中継組もいた。

 18名参加(過去最高)。東京、神奈川、京都、大阪、福岡、沖縄より参加。野外からは、隅田川(東京)、鴻応山をバックに豊能町の畑(大阪)、京都のマンションの屋上、糸島海岸(福岡)、トロピカルビーチ(沖縄)。本日のカウントは、日本語の数字、元素、四股踏みドリーマー甚句、川の流れのように、鉄道の旅、地歌「黒髪」、ポーランド語の数字、インドネシア語の数字、全員+鍵盤ハーモニカ+相撲甚句「当地興行」のカウントで1000回。

 隅田川チームは8名参加。両国国技館からすぐそこのリバーサイドで、壁には相撲の浮世絵、柵には決まり手がデザインされ、相撲の臨場感溢れる環境。一挙に8人もの多人数がリアルに四股踏みできる喜びで大はしゃぎになり、飲めや歌えやの「飲めや」箇所はないものの、言い換えれば、四股踏みゃ歌えやの「四股の宴」たけなわ。川のさざなみ、時々通り過ぎる屋形船、対岸の都会の灯り、総武線の電車の音、四股歌と足踏みの音。春の隅田川では、「飲めや」も追加して各地の四股踏み中継を楽しむ「お四股見」を計画したい。隅田川に来るとなぜかそういう気分になってしまうのかもしれない。

 豊能町の畑チームは4名参加。ダンサーの佐久間さんは『柔らかな土が気持ちよかった。裸足でしたんですが、足の方がすこしづつ深く、なめらかになっていき、四股型のようになっていきました。踏みしめても全然痛みもなく、スネの骨が立ち感じもつかみやすかったです。』とのこと。裸足で土を踏みしめるというのは、四股の原点のような気がする。彼らがポーランド語とインドネシア語で700〜900歩をカウントする間、鴻応山の空が桃色から紫、漆黒と次第に夜になり真っ暗になった。隅田川では体験出来なかった闇四股はどんなだっただろう。

 糸島海岸の大澤さんは、砂浜で裸足の四股。『ずっと踏みしめると最初は柔らかかった砂が固くなっていくのが面白かった』、『海の波を感じながら四股を踏むのは、とってもいい。ダイレクトに体の中の水が、海の波とつながる感じがします。海の波が寄せたり引いたりする大きなリズム(文字通り「律動」というか)と同期した、ゆーっくりした四股を踏んでみたくなりました。体の中の水が、海の波と同期して波を打って、その体の内側の波によって、体が動かされるような四股を踏んでみたい!と強烈に思いました。』、ちょうど潮が満ちてくる時間帯だったので、『波がちょっとずつ足元に近づいてきて、じわじわと、満ち満ちした感じが、沁み沁みと体に沁みこんできてました。引き潮を見ながら四股を踏むのと、満ち潮を見ながら四股を踏むのは、ちょっと感覚が違うんじゃないかと思う。』とのこと。

 波のリズムや潮の干満と同期した四股体験は魅力的だ。干満は、四股を踏み込む時(満ち潮)、足あげる時(引き潮)の、地球の大きな四股リズムともいえる。踏みしめていって滑らかになったり固くなったりしていく土や砂が、潮水、塩と水と繋がっていく。それはまさしく土俵、土俵作りなのだと気づく。山の土俵と海の土俵。四股1000は地球の土俵作りなのだ。そういえば、呼出しさん達は土俵作りで、フカフカの土をまず固める時は、年中何千回何万回も四股を踏むようにして、小さい足踏みを何遍もしてならしていく。そうして心地よくなった地面が土俵になっていったのかと思うと、四股だけで土俵作りをして相撲をとってみたくなる。JACSHA鶴見が二週間前に作った「四股踏みドリーマー甚句」は、歌に読み込まれた夢が、今日という良き日にいくつか叶ったらしいので、これらのやりたいことをどんどん甚句に込めて歌ってもらいたい。

各地の様子写真
6/21 四股1000 夏至股夜四股 開始時の各地の様子

 

糸島海岸と豊能町の1時間の変化

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