7/14 四股1000 七十八日目 行事の記憶

 8名参加。東京、茨城、京都、福岡より参加。壁の股割り、ルルベ、ドゥミプリエ、腰割りから開始。本日のカウントは、大相撲七月場所観戦要綱(触れ太鼓顔触れ口上風、場内アナウンス風)、七月の星占い(鏡リュウジ)、日本語の数字(普、乗っかりそうで乗っからないノリ)、三橋美智也「古城」、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、ハナモゲラ語、全員のカウントで1000回。

 JACSHA野村が連日音読している木村朝之助さんのトークでは、行司さんの土俵上での一連の所作と同じく、場内アナウンスも事前練習をすることなく、本番の実践だけで研鑽を積んでいくことが分かった。呼出しさんの呼び上げもそうであるらしいから、春巡業もなく、五月場所も開催されず、本番がなかった丸4ヶ月の長い期間は行司さんや呼出しさんにとっては大変なことだと思う。特に、入門したての若い方々は、巡業で番数をこなして切磋琢磨するというから由々しき事態だ。

 相撲だけでなく、コロナ禍の影響で、今年のお祭りや行事が中止になるケースは多い。一年に一度のお祭りでは、本番前に一年前の記憶をみんなで徐々に思い出しながら練習していくことがある。一年前の記憶もあやふやなのに、今年中止になったら、行事や伝統の記憶や継承が途絶えてしまうピンチは、全国各所の共通した課題だろう。三年、十年、十二年に一度、といった長いスパンの行事もあるわけだから、それらが中止になったら本当に途絶えてしまうかもしれない。

 昨日、大相撲七月場所が観客ありで開催されることが発表されたことと、今日からチケット予約販売が始まったことを受け、JACSHA鶴見は、コロナ渦で開催される相撲独特の観戦概要を、始めと終わりを触れ太鼓の顔触れ口上風に、内容を場内アナウンス風に読んだ。「相撲が本日はチケット販売じゃんぞーい」に始まり「御油断では詰まりますぞーい」で終わる。触れ太鼓は本来、初日の前日に行われ「相撲が明日は初日じゃんぞーい」と触れて回る。「御油断では詰まりますぞーい」とは、うかうかしてると満席になっちゃいますよ、チケット売り切れますのでお急ぎください、の意であるが、今の相撲大人気の時代では、初日の前日にはすっかり詰まっている状況であるので、チケット販売に合わせた今日に触れるのは理にかなっているといえる。

 東京でコロナ感染者が増えていている中での有観客開催は、「行きたいけど行ってはいけない」というような複雑な心境でいっぱいになる。他で始まっている有観客興行はどんな状況かというと、プロ野球では、座席を開けて着席しているお客さん達は、うすい声援で盛り上がりにくそうだが、楽器や鳴り物の応援がないので、相撲の立ち合い時のように、ピッチャーがボールを投げる時にスッと静かになり、一投一打の勝負に集中して観戦できるという。オーケストラのコンサートでは、市松模様に配置された座席は音楽に集中できるという。また、会場で久々に知り合いにあっても、控えめな奥ゆかしい交流が楽しかったという感想も。大相撲は無観客だった三月場所では、ゲネプロを聴いているような、よく響く豊かな相撲音をテレビやネットやラジオ楽しむことができ注目された。七月場所も、定員の25%の観客数だから、今回も豊かな音を楽しむことができるだろう。声援、力士や親方、裏方さんとの交流、ワイワイ飲み食いを楽しむ、独特の臨場感、とにかく楽しくはしゃぐ、など、相撲の取組そのもの以外の、これまでの生観戦の楽しみがほとんど出来ない観戦となるわけだから、前向きに新しい楽しみ方、新しい相撲聞の魅力を探求したいと思う。

7/12 四股1000 七十六日目 新しい床

 6名参加。東京、神奈川、茨城、京都、大阪、沖縄より参加。本日のカウントは、日本語の数字(普、鈴付、重)、オランダ語の数字、インテグラル・ヨーガ(サッチダーナンダ著、伊藤久子訳)、琉球古典音楽「伊野波節」、全員のカウントで1000回。

 最近は、どのような床を踏んでいるのかが話題になるので、今日はいくつか工夫が見られた。JACSHA樅山は、ヨガマットと間違えて、寝袋の下に敷くマットで踏んだ。足に返ってくる感じがせず、疲労したそうだ。次はヨガマットで試してほしい。JACSHA鶴見は、ホームセンターで見つけた珪藻土(けいそうど)バスマットを、四股マットとして購入した。板状なのに土の感触、いい音がする、骨に響くのがポイントだそうだ。今までは畳だったので、硬い床を踏み続けると痛くなるので、時々畳と交代して踏み慣らすうちに、珪藻土と足裏が仲良くなってきて、掴めるような感触になったという。本来のバスマットとしても使い心地がよく、風呂上がりで濡れたままでも、踏むたびに足裏がサラサラとしてきて不思議気持ちいいそうだ。風呂上がりの四股マットとしてもおすすめである。

 四股1000は、コロナ禍のステイホーム中に始まったので、緊急事態宣言解除後くらいから、全国のメンバーの生活がそれぞれ通常に戻りつつある経過が見える日々だ。舞台の本番があった人、これから本番を迎える人がいる中で、今日は本番予定だったが、突然のコロナ感染拡大のため直前の昨日に延期が決まり、今日は想定外で四股1000に参加できた人もいた。地域によって、環境によって通常生活にはまだバラつきがある。そして、それぞれがどのように対策をして本番舞台を実現しているのか、全国のメンバーが意見交換できる場にもなっている。四股を踏み続けたらなんかいいこと降ってこないかな〜、四股で早起きができるようになりました!四股で恋人ができました!など、雑誌の最後のページの広告のように、冗談まじりで四股の夢や幸せを語り合ったが、ほんとに四股を踏むことで幸せがもたらされることを願うばかりである。

7/11 四股1000 七十五日目 作曲家

 12名参加。東京、茨城、京都、沖縄より参加。ストレッチ(腕伸ばし、背伸び、伸脚)、セカンドポジションでドゥミプリエ(腰割り)、ルルベ、ファーストポジションでドゥミプリエ、ルルベ、グランプリエ(蹲踞)→ドゥミプリエを通過して四股の構えから、手を合わせて気持ちを落ち着かせてから開始。本日のカウントは、日本語の数字(黙想、鈴いっぱい)、相撲甚句「四十八手」、コンサート「日本の現代音楽、創作の奇跡」のパンフレット、「音楽用語もの知り事典」(久保田慶一著)よりハーモニー、オランダ語の数字、三橋美智也「達者でな」、ソーラン節、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、のカウントで1000回。

 映像作家の山城さんから「ネッパツ」という言葉を聞く。沖縄で発熱を意味するらしい。文字が逆転してネッパツと言われる。かっこいいので、ネッパツに倣って「モースーのコーシー」「コーシーかいせん」といった、四股1000メンバーにしか分からないような、隠れ四股たん用語が発明される。

 JACSHAの作曲家メンバー3人とも相撲好きである、というのがJACSHAの原点であるが、相撲好きの作曲家はJACSHAに始まったことではない。三善晃氏、池辺晋一郎氏を始め、なぜか作曲家には相撲好きは多く、かつて、相撲の取組と作曲がコラボするテレビ番組があったなど、歴代作曲家の相撲好き伝統があってこその、JACSHAである。JACSHA鶴見が初めて国技館で大相撲観戦をしたのは、大学時代の作曲科の学生4人だったというし、JACSHAが結成された日は、2008513日の大相撲五月場所観戦日だ。JACSHAと交流がある同世代の作曲家にも相撲ファンは多い。

 評論家の松平あかねさんが読んだ、昨夜のコンサートのパンフレットで、衝撃の先輩作曲家、田中利光(1930)氏を知る。ご自身も相撲をしていたらしく、氏のコンサートにはお相撲さんが観客として来場していたという。ガチもんの先輩JACSHAである。お写真で見るお姿も、どこか親方風である。いつしかお会いできるだろうか。

四股ノオト
7/11 四股ノオト

7/10 四股1000 七十四日目 ロボット

 8名参加。東京、茨城、京都より参加。背伸び(背骨と脇を伸ばす捻り)、セカンドポジションでドゥミプリエ(腰割り)、ファーストポジションでルルベ、ドゥミプリエ、グランプリエ(蹲踞)→ドゥミプリエを通過して四股の構えから開始。本日のカウントは、日本語の数字(ノーマル、鈴いっぱい、片鼻呼吸)、川の流れのように(四股1000ver.)、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、松井茂短歌作品集(スタッカートver.)、琉球古典音楽「伊野波節」、のカウントで1000回。

 昨日に引き続き床の話題。ダンサーの砂連尾さんは、床が硬いほうが、膝が柔らかく使える、踏んだ時に体に返ってくるエネルギーを感じるので、力士が四股で大地を踏みならして鎮めることと繋がるという。畳は心地いいが、絨毯だと手応えが少ないとも。歌手の松平敬さんからは、床が硬いと音がよく出るし、音の反射もあって響きが伸びるので踏みがいがあるのではないか、絨毯では音が吸われてしまって踏みにくいのではないか、といった、四股の音響環境からの視点を広げてくれた。四股から発生する音は大切な要素だ。ここから砂連尾さんは、四股は足と大地の合掌で、大地を叩くことによって、響きが天上へ向かい、雲龍などの神様に届くのではないかと、新しい四股イメージが膨らんだ。土俵が楽器になる、というのはJACSHAの夢であるが、いい音の出る床といえば思いつくのは能舞台だ。囃子も四股に合わせる四股尽くしの能作品も作らねばならない。

 木村朝之助さんのトークは、場内アナウンスについて。行司さんが場内アナウンスをしていることを初めて知った時はかなり驚いた記憶がある。アナウンサーのように洗練された端正な口調であるからだ。土俵上の迫力のある声とは、どの行司さんも別人に聞こえるほど全然違う。決まり手は場内アナウンスの行司さんが決めていいこと、分からない時は決まり手係りの親方と10秒以内で電話でやりとりをして親方が最終的に決めること、どっちつかずの勝因のときは、テレビの実況アナウンサーが確信をもって言った決まり手を優先することがある(温情)。力士の紹介や懸賞金などの原稿アナウンスだけでなく、勝敗がついてすぐ、決まり手を即決していく判断力も、行司さんならではの反射神経なのであろう。

 四股1000ではお馴染みの、松平敬さんが歌う「松井茂短歌集」の今日のカウントは、スタッカートバージョン。アーティキュレーションが違うだけで、別の作品に聞こえてしまう不思議。スタッカートの質感に合わせるように、JACSHA野村と鶴見は、滑らかさのないロボットのような固い動きで四股を踏んだ。四股ロボ。鶴見はかいたことのない汗をかいたという。ここでロボットの相撲を想像してみた。ロボットに腰割りは必要か?という問いには、股関節の硬いロボットがいて、硬くなったり柔らかくなったりする、塩で体が錆びてきたら腰割りをするイメージ。土俵の外に落ちたらバラバラに壊れそう、とすぐに連想してしまうように、ロボットといえば硬いボディだ。お相撲さんも、体が硬かったり、稽古不足や柔軟運動不足が怪我に繋がるというから、ロボット相撲という極端な硬い例を考えると、体の柔らかさやしなやかさの大事さがよく分かる。行司ロボは車輪付きで自在に土俵上を動き回れる。力士に蹴飛ばされてバラバラにならないように注意しなければならない。呼出しロボは、声の出るルンバだ。呼出しルンバ。力士を呼び上げたあとは、得意の床掃除機能で、蛇目の整備が楽ちんだ。踏まれないように気をつけなければならない。ロボットとはいえ、相手の故障を気遣い、かばい手をするようなロボットが誕生する日は近いだろう。

四股ノオト
7/10 四股ノオト

 

7/9 四股1000 七十三日目 四股マット

  10名参加。東京、茨城、京都、大阪、福岡、沖縄より参加。ルルベ、ドゥミプリエ、壁の股割り、腰割りから開始。本日のカウントは、屋嘉節、日本語の数字(普、鈴付、爽)、「翻訳できない世界のことば」(サンダース著、前田まゆみ訳)、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、決まり手、石川県出身力士、湿っている阪神、のカウントで1000回。

 当たり前のことだが、四股は足裏で床を踏む。それゆえ、どのような床を踏むのかは重要な課題だ。JACSHA樅山は、出張先で踏んだホテルの床が恋しい。しっかりとした構造の上に敷かれた硬いカーペットの床で四股を踏むと、骨にズシンと来たそうだ。自宅はフローリングで、裸足で四股を踏むと、すぐにマメができてしまう。骨より先に皮膚に来てしまうのだ。絨毯の上で踏んでみたが、絨毯がフローリング上で滑って動いてしまうし、靴下を履いてフローリングで踏んでみても、やはり足が滑るので、骨には響かない。そこで、メンバーのみなさんに床事情を調査。畳、あじろ、コルクのタイルカーペット、フローリング、暑くなる前はフカフカカーペット。感触は、柔らかいと膝に来てしまうので硬いほうがいい、ジャワ舞踊も硬いほうがいい(そもそも大理石の上で上演される舞踊らしい)など、硬派な床が人気のようだ。

 お相撲さんは土を踏む。フワフワの柔らかい畑の土で四股を踏んだことのあるJACSHA野村は、ズボッ、ズボッ、と沈んでいくようだったという。それは土俵の根源だろう。土俵作りは、盛られたフワフワの土を何遍も踏み続けて固めていく。ということは、土間のように、土の床が望ましいのだが、現代生活では簡単ではないので、体幹トレーニング用のバランスディスクのように、四股専用カーペット、四股マットが欲しくなってくる。滑らない、骨に響く、いい音のする、土のような、持ち運びが出来る、四股マット。

 土だとしても、お相撲さんの始めの頃は、マメができたり皮がズル剥けしながら稽古を重ね、だんだんと足裏の皮が厚くなり、鰹節のように山盛りに削ってケアをするという。四股を踏み続けていれば、皮膚も鍛えられていくだろう。

 足裏は、四股に限らず体の健康維持にとって大事な部分だ。石神さんから、足のグーチョキパー(お風呂で10回がおすすめ)、JACSHA世話人里村からは、ゆびのば体操を教わった。ちょっとやっただけで体が大分活性化するような気がした。これまで、四股1000を通していろいろな体の部分を知り、意識をして動かしてきた。四股は全身を繋げるものなんだと実感する。これからも、未知の体の発見をするのが楽しみだ。

四股ノオト
7/9 四股ノオト

7/8 四股1000 七十二日目 指揮者

 11名参加。東京、茨城、石川、京都、大阪、福岡、沖縄より参加。ルルベ、ドゥミプリエ、壁の股割り、腰割りから開始。本日のカウントは、四股瞑想甚句(鶴見幸代作)、「ワニのオーケストラ入門」(ドナルド・エリオット著)より、ピアノと指揮者、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、岸政彦「沖縄がひとつになるとき」(2018820日琉球新報)、松井茂短歌作品集(スローver.)、「軸とハラを鍛えれば必ず強くなる!」(高岡英夫著)よりスライサー、カエル探し中継、「翻訳できない世界のことば」(サンダース著、前田まゆみ訳)、インテグラル・ヨーガ(サッチダーナンダ著、伊藤久子訳)のカウントで1000回。

 四股瞑想甚句に出てくる歌詞〜四股の恵みに感謝する〜の「恵み」が「エグみ」と聞き間違ったことにより、エグみのある四股とはどんなものかを考察した。春先の野菜のエグみのような味わいの四股、アクのある四股、腿のあたりにエグみを感じる、脇からエグみが出る、クセになる四股。エグみとは、ワイルドな感じ、苦い、ピリッとする、独特の匂い、後から快感に繋ってクセになる(イタ気持ちいいとか)、などといった性質がある。70日以上も継続し、休みの日でさえ踏んでしまうほどクセになっているのは、四股ならではのエグみを感じ取っているのであろう。また、四股1000の四股は、自分なりの踏み方をするのが重要なので、エグみだったり、それぞれの四股に性格や味わいがあるのは自然なことだ。もっと四股を様々に形容出来るようになりたいものだ。

 指揮者と行司は似ている気がするが、「ワニのオーケストラ入門」と木村朝之助さんのお話を聞くと、両者には大きく違う点がある。指揮者は始まりの合図を出すが、行司は始まりの合図を出すのではなく、始まりを促す役割だ。人と人の間に入るのが行司の仕事だという。取り組み前は、力士と力士の間に立って、息を合わせていく。両者の比較をいろいろ想像してみると、指揮者は舞台の前面で客に背を向けているのに対し、行司は土俵の後ろ側で正面を向いているのが真反対で面白い。四股1000メンバーは音楽関係者が多いので、指揮者の話題になると、決して表立っては言えないアレやコレやで止まらなくなるが、「ワニのオーケストラ入門」のお話もかなりの辛口で、絵本になっているから面白おかしく読める。作品とは、そういうオフレコ話やタブーがきっかけになることは少なくない。ここに書けない四股1000話もいつしか形にしたいものだ。JACSHA樅山は、指揮者と一緒に四股を踏みたいと提案した。それはとてもいいことだと思う。四股が指揮になる四股ンダクターの実践はあるが、指揮者の四股は未経験だ。指揮者の指揮で四股を、指揮者の四股で四股を、指揮者の四股で演奏を、指揮者の四股と息を合わせた四股を。四股や腰割りは指揮にもいい影響があるだろうし、どなたかご一緒くださる方いらっしゃらないかしら。

四股ノオト
7/8 四股ノオト

 

7/7 四股1000 七十一日目 割る

 8名参加。東京、茨城、石川、京都、沖縄より参加。本日のカウントは、モリコーネ「続・夕陽のガンマン」、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、チュツオーラ「ブッシュ・オブ・ゴースツ」(橋本福夫訳)、宮城道雄三味線練習曲「かすみたつ」(二上り)、日本語のカウント、江戸菅攪、全員のカウントで1000回。

 連日JACSHA野村が音読している、行司の木村朝之助さんとJACSHAとのトークでは、立ち合い。二人の力士の息があってぴったりと立ち合いと、軍配を引くときのタイミングがバチンと合うと気持ちいいそうだ。行司の土俵上の役割は、勝敗の裁きよりも、取り組む二人の力士の息を合わせることが重要なのだ。手付きが不十分でも、気持ち良く合った時は止められないという。これを聞いた時以降、大相撲の立ち合いの見る目が変わった。ヨーイドンのような合図はなく、阿吽の呼吸で立ち合うことは知っていたが、それを導く役は行司さんで、二人の力士でなく、三人がぴったりと合う、短いトリオ作品の第一音なのである。次のキーワードは「割」(わり)。割は、取組や取組表のことを指し、取組を決めることを「割を割る」(わりをわる)といい、割を割る所を「割り場」という。取組は力士を東西の二つに分けるので、割る、という表現をするのだと思うが、なんとも独特な相撲用語だ。相撲の現場では、取組表とは言わず、「割」と一言で済ます。四股を踏むときには腰を「割る」といって、腰割りの姿勢が重要になる。割を食うなど、日常生活にも「割」がつく言葉は多い。「割り場」での行司さんの役割も重要だ。続きが楽しみだ。

 毎日四股を1000回踏む生活を続けていると、稽古休みの日や自分が不参加の日でも、体がウズいてしまって、一人でも四股を踏んでしまうメンバーが増えてきた。これまでは、四股1000の収録ビデオを見ながら1000回踏む、ハッピーロンリー四股の実践、空港や電車、ホームでのゆったりとしたバレないサイレント四股をするメンバーもいたが、最近は自宅だけでなく、場所や機会も様々になり、大胆になってきた。読みたい本を読了するまで踏み続ける、待ち合わせの路上で踏み続ける、就寝前の追い四股、焼き鳥が焼けるまで待ち時間中の四股、どこでも踏むので怪しまれる、など、周囲にバレないサイレント四股ではなく、惜しげもなくどこでも割る、踏む、日常生活の風景に溶け込んだ四股生活が始まった。

 今日は七月七日。旧暦七月七日は、相撲にゆかりのある日だ。野見宿禰と当麻蹴速の相撲、相撲節会も旧暦七月七日に行われた。昨日の稽古休みの日には、JACSHA世話人里村が「耳なし芳一」(ラフカディオ・ハーン)を読みながら四股を踏み続けていたことから連想して、夏の納涼四股のお楽しみとして、JACSHA鶴見は今日七月七日から四股怪談(よつこかいだん)集を綴り始めた。一歩一歩踏むごとに涼しくなる、コワ〜い四股怪談(よつこかいだん)。隠れ四股たんの歴史とともに、話は増えていくという。

四股ノオト
7/7 四股ノオト

すもう×おんがくワークショップ 2020年7月23日(木)

とよおかアート縁日でJACSHAがワークショップを行います。お近くの方はぜひご参加ください。(要申込み)

とよおかアート縁日
令和2年7月23日(木曜日)
午前11時 から 午後4時 まで
豊岡市民プラザ(兵庫県豊岡市)

【すもう×おんがくワークショップ】すもうが大好きな作曲家チーム「JACSHA(ジャクシャ)」といっしょに、豊岡市につたわるすもうのうたやリズムを使って遊んでみよう!

  • 講師 日本相撲聞芸術作曲家協議会(JACSHA)
  • 対象 5歳以上
  • 定員 5人程度
  • 服装 動きやすい服装
  • 参加料 無料
  • 場所 サロンステージ
  1. 午前11時から午前1115
  2. 午前1130分から午前1145
  3. 午後0時から午後015

アート縁日では、他にもたくさんの催し物、体験コーナーがあります。

申し込みなど詳しくはこちらのページより:

とよおかアート縁日を開催します!|豊岡市公式ウェブサイト