7/18 四股1000 八十二日目 手刀、禹歩

 7名参加。東京、茨城、京都、福岡より参加。背伸び、セカンドポジションでドゥミプリエ(腰割り)、ルルベ、ファーストポジションでドゥミプリエ、ルルベ、グランプリエ(蹲踞)から開始。本日のカウントは、日本語の数字(ノーマル、手刀)、祝詞・方屋開口、「世界遺産時代の村の踊り」(星野紘著)717日読売新聞朝刊スポーツ欄「新大関に対する期待」、木村朝之助さんとJACSHAのトーク「岩槻と相撲と音楽2017」、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、宮城道雄三味線練習曲「寝覚め」、全員のカウントで1000回。

 ダンサーの砂連尾さんは、合気道の手刀(しゅとう)を入れた四股をリードしてくれた。片手で、または両手を合わせて、腕を真っ直ぐに振り下げる。四股のように、自然に腕の重みでおちるのがポイント。腕で振らない。下腹に効くという。合気道経験のある評論家の松平あかねさんは、腹が定まらないと腕が止まらない(コントロールできない)という。JACSHA鶴見は、おそらく腕で振っていたせいで、両手の手刀が相当堪えたらしいが、体の中心線を具体的に感じたという。また、この手刀は、岩槻の子ども古式土俵入りの「アコノ」の所作、ねってい相撲の拳を突き上げる時の所作と類似しているので驚いた。相撲にも手刀(てがたな)を切って懸賞金を受け取る所作があるし、手刀はこれからのキーワードの一つだ。

 文化生態観察家の大澤さんが読んでくれた「世界遺産時代の村の踊り」では、反閇(へんばい)の足運びと、禹歩(うほ)を知った。禹歩は、左右左、右左右、左右左の九歩を踏む。一歩ずつ、臨(てん)・兵(ひょう)・闘(とう)・者(しゃ)・皆(うい)・陣(じん)・烈(きつ)・在(ざい)・前(ぜん)、と唱えるそうである。一歩ごとに文字や意味が当てられているとしたら、四股の一歩の味わい方もかなり変わるだろう。九歩というのも、先の手刀に続き、ねってい相撲と大きな共通点である。反閇や禹歩に関連する、奥三河の花祭りの、神事やエネルギッシュに足踏みをする舞などの、一連の儀式を記録動画で見てみると、相撲も舞なのだな、もしくは、舞も相撲なのだな、と自然に思えてくる。

 本日は大相撲七月場所の土俵祭り。JACSHA鶴見は土俵祭りで奏上される祝詞の後半と、方屋開口(かたやかいこう)でカウントした。四股1000稽古が始まる時間のちょうど前に、土俵祭りがライブ配信されていたので鑑賞したが、土俵周りで儀式に立ち会う親方衆や行司さん達は、マスクをつけてソーシャルディスタンス。三月場所と同じくお神酒のふるまいはなかった。クライマックスである、2組が連れ立って演奏する、触れ太鼓土俵三周は、よく響く館内の四方八方からリズムがこだまするので、スティーブ・ライヒの「ピアノ・フェイズ」が幾重にも重なるような、複雑で立体的なリズムで飽和し、自分の前に来れば2組が重なって聞こえる気がする「触れ太鼓フェイズ」は、生で聞いても中継で見ても圧倒的なフィナーレ。最後の最後は清廉な拍子木の音で終了する。

 というわけで、明日からいよいよ大相撲七月場所から始まる。松平あかねさんは、読売新聞の「新大関に対する期待」を読んでくれた。新大関の場所でいい成績を残す記録は少ないそうだが、大勝ちして早くも次の地位を目指して頑張ってほしい。楽しみな十五日間が始まる。四股1000も相撲を見ながら実施する予定なので、進行の仕方がガラッと変わるだろう。楽しみな十五日間だ。

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