6/6 四股トレ1000 四十日目 撮影日

12名参加。PR動画撮影日。画角を調整したり、名前の表示を四股名にしてしっかり準備し、四股トレ開始。日本語の数字、短歌(ひーふーみー、踏み踏みソング)、千鳥の曲、石川県出身力士、かかとを浮かさない話、ポーランド語の数字、鉄道の旅、全員のカウントで1000回。撮影の都合で500×2セット。四股トレ1000を始めた頃は、100回ずつ止めて喜びを味わいながら続けていたが、いつの頃からか1000回をぶっ続けでやるようになり、今日は久々に途中で止まってみると、充実感や疲労感が結構違うことに気づく。1000回の後は、2名のカウント(沖縄民謡、インドネシア語の数字)、これまでに思い出深かったカウントを、ソロ踏みで追加撮影(キノコの種類、童謡、猫の数字)。今日は数字のカウント割合が多く、いつもに増してしっかり集中して稽古した感じがする。呼吸を意識して、2歩、3歩、4歩と、長めの呼吸に取り組んでみたが、長ければ長いほど、体の重みを実感した。追加撮影時、一人のみがカウントと四股を踏んでる様子を見るのは、相撲部屋で一つの土俵を囲んで、兄弟子や弟弟子の相撲を見て学ぶ意義を想起した。他の人の四股をじっくり見ることはいいことだ。

6/5 四股トレ1000 三十九日目 西洋と東洋を繋ぐ

 12名参加。腰割りトレーニングから開始。それから、日本語の数字、筋肉とインナーマッスルの話、ポーランド語の数字、短歌、オーケストラの絵本の朗読、フライパン銅鑼をハーリー鐘風に沖縄民謡、全員のカウントで1000回。参加してもうすぐ1ヶ月となるダンサーの砂連尾さんは、この四股トレ1000に魅了されて大学の授業に取り入れ(バレエのプリエの前に四股をするととてもいいらしい)、オンラインに参加できない日は、一人で最低1000歩は踏んでいるとのこと。『西洋と東洋のメソッドは違うものと思っていたが、繋ぐポイントは四股だった、四股で全部繋がり始めたと』いう。そんな彼の日々のメニューは、四股1000回ー股割りー気功ー股割りー三点倒立ー股割りー太極拳ー股割りープリエ。四股で始まり、股割りを間奏曲、またはロンドのようにして、さまざまな動きの間にするのがいいらしい。JACSHAとしては、この股割り形式から、インテルメッツォ・マタワリ、もしくはロンド・マタワリを作ることになるだろう。JACSHA野村は、砂連尾さんの足裏に関するいろいろな気づきに影響されて、つま先立ちで100歩踏んでみたところ、ふらつかないように、無駄に重心を動かさず、体の真ん中、重心線を保つ意識が高まったということだ。

 映像作家の山城知佳子さん、シンガーソングライターのアラカキヒロコさんが初参加。思ったよりきつくなく、1000回後は体がポカポカと心地よく、代謝が上がっている状態を感じたそうだ。山城さんは、仕事柄、撮影時に重たいカメラを担いで動き回るのだが、その姿勢を実演してもらうと、脇を閉めて動く様はまるで力士が相撲を取っているかのように見える。砂連尾さんと山城さんが出会うきっかけになったエピソード「その地域の踊りがなくなると言葉もなくなる」という話題になった。「がまく」という沖縄の言葉がある。腰のあたりのどこかのことだったり、心身に影響する部分としても使われる。琉球舞踊で「がまくを入れる」と言ったりする。本来の「がまく」とは、腰のどこを指すのかが明確にあったが、現在は舞踊家によって違いがあり、「がまく」の伝承が途絶えるかもしれないとのことだ。「がまくを入れる」と、四股や相撲でいうところの「腰が決まる」は共通しているかもしれない。四股トレ1000をいろいろな地域で、そこに住む人々と一緒にやろうとの声が上がっている。四股を通して、その地特有の暮らしや身体性、様々な「がまく」のようなことに出会えるかもしれない。

 四股1000100人くらいでやったら、ベジャールのボレロよりいけるのではないか!という話題にもなった。四股ボレロ。たしかに、四股1000は既にボレロの感がある。フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルのオーケストラ作品「ボレロ」は、AB二種類のメロディが、いろいろな楽器が主旋律になって、AAB/AAB/AAB/AAB/…というように、シンプルに同じ構成が30クールくらい繰り返され、じわじわと盛り上がり、最後は恍惚として畳み掛けるようにいきなり終わる。四股1000もそんな感じ。ボレロは1クールごとにオーケストレーションが様々に変化するが、四股1000は一人ずつ100カウントを先導し、1000歩も踏み続けるので、参加者それぞれが色々な動きを試しているアンサンブルは、ぱっと聞いた感じ、ぱっと見た感じは気づきにくいけど、ボレロの一筋縄ではいかない複雑で細かく重ねられたスコアに似てる気がする。体内奥深いところがじわじわ変化していく感覚も音楽にしようと思ったら、ボレロのスコアがヒントかもしれない。

四股ノオト
6/5 四股ノオト

赤ちゃんの腰割りと四股

友達とビーチで四股トレ、四股ゆんたを一緒にしました。[1] 腰割りの基本がデフォルトで出来ている、まだ足が立たない8ヶ月の赤ちゃん(セオ君)も、一緒に四股を踏みました。足を踏みたくてしょうがない、という根源的な欲求を一緒に体験できたことは感動でした。ベリーダンサーの方も一緒にやりましたが、つま先と膝の角度を同じにして、丹田を意識して真っ直ぐに腰を降ろす、相撲でいうところの「腰割り」の姿勢は、ベリーダンスをやっている人がよくやるスクワットのかたちと共通しているらしく、自分が説明できないところを補足してくれて、楽しい四股を踏むことができました。小学生の龍ちゃんは、四股は一緒にしなかったけど、塵手水(ちりちょうず)と蹲踞(そんきょ)が安定感あってとても上手でした。


[1] 元一ノ矢著《連載「四股探求の旅」第1回 腰を割るとは?》月間「武道」20189月号より

「おんぶや抱っこされた赤ん坊の姿を思い浮かべてください。このときの赤ん坊は、股関節をゆるめて開き、実に気持ちよさそうにしています。ゆるんで開いた太腿から膝下が重力に沿って自然に下に伸びていて、それは腰割りの構えそのものです。こうした姿を見ると、腰割りの構えがどこにも力みのない自然な構えだと納得できます。」

赤ちゃんの四股
赤ちゃんの四股
蹲踞
龍ちゃん安定の蹲踞
四股三線、四股ゆんた
四股三線、四股ゆんた
四股トレ
四股トレ


6/4 四股トレ1000 三十八日目 呼吸

 11名参加。これまではいきなり四股を踏み出していたが、今日は四股の効果を上げるため、腰割りトレーニングから開始。足を肩幅の1.5倍広げて、つま先と膝の方向を同じにし、腰を落としてその姿勢をキープするのが重要。それから、全身の筋肉の話、イタリア語の短歌、日本語の数字、体の軸「コア」についての朗読、ポーランド語の数字、歴代天皇、琉球古典音楽、オーケストラの絵本の朗読、三味線練習曲のカウントで1000回。昨日の朗読で学んだ、四股とお能の呼吸パターンの違いを参考に実践した箏奏者の竹澤さんは、呼吸を意識すると、脱力がいつもよりズシンときて、腰の安定感が増してきたそうだ。一歩ずつ吐く、吸うを繰り返す、二歩ずつにしてみる、もっと長く、自然に任せる、カウントが自分の番になって、ひたすら声を出し続けているとき、それぞれに体の充実感が変わる(声を出し続けるとかなりの汗をかく)。先月の稽古の時、ダンサーの砂連尾さんは、お尻を丸くすくうようなイメージで呼吸をしていると言っていたが、四股と呼吸の関係も無限に奥が深い。

 四股トレを開始して1ヶ月以上、または1ヶ月近く近くたつ参加者が増えてきたため、体の変化をたずねてみると、階段を一歩ずつ降りられるようになった、頭から体への指令が自然にいくようになったかもしれない、何をしても変わらなかった体重が少し減り、顔も引き締まった、傾きの大きかった左右の肩の高さが同じになってきた、しばらくぶりに電車に乗ってみると、上半身が高層ビル上階の遊び部分が揺れる時のように感じ、同時に地面を足全体で捉えられている実感があった、首凝りが治った、というように、参加者の多くになんらかの変化があることが分かった。

四股ノオト
6/4 四股ノオト

6/3 四股トレ1000 三十七日目 四股の股

9名参加。三味線練習曲、四股についての朗読、沖縄民謡、キノコの種類、呼出しの呼出し、八百屋場所キノコ力士の取組実況、川の流れのように(四股トレ1000バージョン)のカウントで1000回。四股についての朗読では、呼吸について、四股は吸いながら足を上げ、吐きながら降ろすが、お能では逆に、吸いながら降ろし吐きながら上げる、ということを知る。それを聞きながらどちらの呼吸スタイルでも踏んでみたJACSHA樅山は、足を降ろすときに息を吸うと背筋が伸びてとても気持ち良かったと言う。四股の「股」はどの辺をイメージするか、という問いに、箏奏者の竹澤さんは足の付け根を感じる方法を共有して下さり、皆で足をブラブラして実践した。足の付け根は腰の奥の方にあるらしい。また、腕の付け根は鎖骨の始まりのグリグリ部分(首の付け根の下)にあり、竹澤さんはそこから腕や手を意識して箏を演奏しているらしい。今日初参加の音楽学者の小川さんは、四股1000回後、うまく話せないほどボーっと放心していた。四股トレ1000を始めた当初、多くの人がボーっとする感じを持ったため、これを四股メディテーションと呼んでいる。なので、初めの頃は、とにかく1000回踏んで、ボーっとなるの日々で、最近のように感想戦(アフタートーク)にてあれこれと多義にディスカッションすることはあまりなかった。そんな小川さんは、四股をしながら踊りのことを考えたという。

 今の1000回の数え方は、1人100歩分数えて10人回していく。数字を数える(いろんな言語で)、相撲甚句、歴代横綱、四股名、決まり手、朗読、歌、念仏、駅名など、カウントの仕方は人それぞれでバラエティに富む。平安時代の相撲節会(すまいのせちえ)の踏歌、相撲甚句は相撲の型をしながら歌うものだったこと、沖縄のゆんた(八重山地方の作業歌)、歌と舞の一体感、または歌舞の発生を想起するような1000回でもある。

 複数人の人が集まって同じ作業をしたとき、どんな文化が生まれるんだろうという興味がある。四股トレならではのものが生まれたり発見したりするのも楽しみの一つだ。今の四股トレ1000文化の流行りは、四股についての朗読を聞いて、頭からも体からもフィードバックに夢中な感じだろうか。1ヶ月以上ほぼ毎日聞いているポーランド語のカウントはもはや四股の身体に馴染んでいるし、しつこく繰り返すうちに徐々に当たり前になっていく。

四股ノオト
6/3 四股ノオト

鶴見部屋の四股ゆんた、四股三線

 沖縄の鶴見部屋(JACSHA鶴見が親方の歌三線道場)では、たびたび四股を踏んだり相撲を取ったりしてきたが、今夜の山稽古(稽古場以外で行う稽古)では、日々のオンライン四股トレ1000回で自分のカウント100歩分が回ってきた時に励んでいる、四股ゆんた、四股三線を弟子達に伝授し、実践してみたところ、大変に盛り上がった。いつも以上に声が出るし、姿勢が良くなる。

 鶴見部屋の稽古は、コロナ禍の外出自粛や3密回避に伴い、この二ヶ月間はオンライン稽古を続けてきたが、室内を避けて爽やかな屋外で晴れてオフライン。久々に皆で声を合わせられただけでも嬉しかったのに、気持ち良くて楽しすぎて感動がとまらない。四股を踏んで体のバランスが良くなるし、歌も上手になるし、良いこと尽くめである。

 オンライン四股トレ1000回も、コロナ禍に影響されて始まったわけだが、鶴見部屋で久しぶりのオフライン稽古の大きな喜びを経験してしまうと、この四股トレ1000がいつしかオフラインで実践できる時、どのようなことになるのかが非常に楽しみになっている。(JACSHA鶴見)

 

6/2 四股トレ1000 三十六日目 チカラと力(リキ)

8名参加。日本語の数字、三味線練習曲、ポーランド語の数字、四股についての朗読、新幹線の遅さ/速さ(四股旅)、四股テッポウゆんた(股割りぬ すり足 腰割りヨー)のカウントで1000回。四股についての朗読では、お尻(梨状筋)に力を入れないほうがいいことを知る。梨状筋とはなにか、図解で見てみたが、どの辺か分かっても、お尻の場所はいろいろあるので、そこをを意識しようとする、しないようにする、というのはなかなか難しい。チカラと力(リキ)は意味が違うことも知る。[1]チカラのチは魂、力(リキ)の漢字は腕の形から来ている。四股では、リキの筋肉よりは魂を充実させるのが重要だ。打楽器奏者の神田さんは、ここ数日自宅でゆっくりと大きな四股を踏んでいて、今日数日振りに小さい佐川流を踏んでみると、最初は足の重力を感じられず、軽く感じてしまうのはなぜなのか分からなかったが、1000回踏み終わったら、足って重たいんだなと感じたそうです。箏奏者の澤村さんは、いつも鉄道や航空関連のカウントで、四股を踏みながらの旅を楽しませてくれる。今は旅にはいけないので、これを四股旅と命名し、明日からもきっとどこかへ連れて行ってくれる。この四股トレPR用に撮影を計画しようと計画する。


[1] 元一ノ矢著《お相撲さんの”腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密》p.164より

「日本語のチカラの『チ』は、漢字をあてはめるとすると『魂』です。それに対して漢字の『力(リキ)』は腕の形からきているので、どちらかというと筋肉の緊張に近い。だからチカラを入れるというのは、決して筋肉を緊張させてリキを入れることではなくて魂を充実させることなんだろうと思います。」

四股ノオト
6/2 四股ノオト

6/1 四股トレ1000 三十五日目(4/28起点) 手の腰割り

10名参加。お米の炊き方、短歌、口三味線、四股についての対談朗読、ポーランド語の数、日本語の数、空港・機内アナウンス、元素、歌三線カウントで1000回。四股をしながら、四股についての朗読ーー五角形のアーチのように腰を割ることで背中がスッと伸びる、重力を使って上に向かうエネルギーを生み出す、人間と猿の骨盤の違い、四股の語源は「しこる」(力を入れる)などという言葉が耳に入ると、指導ではないので不思議な気持ちになりながら体が応答する。今日はコントラバス奏者、四戸さんが初参加。相撲を意識して演奏される方で、『丹田に意識がいけば、体が自由になって演奏することができる』という。彼女のカウントもまた合わせやすく、心地よく踏むことができた。1000回四股後のアフタートーク(感想戦)では、コントラバスのハイポジションは、手の甲を力を入れずにアーチ状にして重心をかけると、楽に押さえることが出来ると教えてくれた。足の裏が土を踏みしめるように、指を下ろすのだそう。まさに手の腰割り。JACSHAは無理のないポジションで行う手の腰割りのためのエテュードを作曲せねばならないと思った。JACSHA樅山は、手と手を体の前で合わせて押し合いながら四股を踏むと、体全体がブリッジのように支え合って気持ちいい、という新しい動きを発見した。「しこる」という言葉の応用に、イタリア語風に「シコーレ」ポーランド語風に「シコバッチ」の提案。このように、真面目な四股に関する考察が感想戦で繰り広げられる。

四股ノオト
6/1 四股ノオト

四股トレ1000 フェーズ2

コロナ禍でステイホーム中の4月27日、JACSHAメンバーでオンライン飲み会をしている時に、明日からオンラインで佐川流の四股1000回を踏み続けていこうか…と軽いノリで提案されたのに端を発し、週に一回程度の休み日を除き、本当に毎日1000回踏み続けて一ヶ月以上経ちました。参加メンバーはJACSHA以外にも演奏家やダンサーなどが加わり、現時点で18名。明日から6月になるので、四股トレ1000回稽古での出来事や感想、効果などを記録していくフェーズ2に入ります。