7/28 四股1000 九十二日目 七月場所十日目 敗者に寄り添う音楽

 5名参加。東京、京都より参加。七月場所九日目序二段の取組を観戦しながら実施。本日のカウントは、日本語の数字、「千鳥の曲」波の手事、相撲聞芸術フォーラム(2016.12.6)、竹野相撲甚句、十七弦調弦、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、全員のカウント(即興演奏)1000回。

 地歌奏者の竹澤さんは、お箏は相撲に合うかしらと、十三弦、十七弦を演奏くださった。十三弦の音色は、十両以上の相撲に合う気がした。化粧回しを付けていたり、行司さんが裸足じゃなかったり。倍音が多いので、いろんな色が見えてくるからだろうか。十七弦の低く太い音色は、格付けによらずどの相撲にも合う気がしてとても面白い。演奏姿もテッポウをしているようである。

 JACSHA野村が書き起こして、今日から音読が始まった相撲聞芸術フォーラム。JACSHAの夢の一つである「相撲聞芸術大学」の創立について、JACSHA鶴見はすっかり忘れていたらしい。建築科や舞踊科などコースも多義に渡る。大学では毎日、四股・テッポウをやるそうだ。ということはつまり、毎日の四股1000は、知らずのうちに大学のリモート授業を実施していることになっているのではないか。単位や資格、試験、シラバスについても考えていかねばならない。

 ラスト100回の即興演奏で始めの頃、野村がピアノで、野村風ともサティ風とも坂本龍一風とも聞こえるような音楽を演奏した。相撲に音楽を付けるとしたら思いつかないような意外なマッチング。こういうのも面白い。そして土俵上では優勢だった力士、闘鵬さんが負けてしまった。無念の黒星の余韻を味わうように、竹澤さんと野村は、敗者に寄り添うように音楽を即興した。それだけにドラマチックで音楽的な負け方であった。相撲節会では勝者へ向けた雅楽が演奏されたそうだし、勝者を称える音楽は現在でもいろいろな機会で耳にする気がするが、敗者の音楽というのはあまり聞かない。これがあったせいか、今日一番の注目取組である朝乃山ー御嶽海戦で、朝乃山が大きく投げられる瞬間に、お箏の乱れたような音楽が脳内再生し、一瞬がスローモーションに見えた。取組後、今場所初黒星を喫し、土俵下で座っている朝乃山の背中からは、ずっと音楽が流れていた。

 鶴見は両国公園から参加した。土俵のような広場があったり、土のエリアもあるので、先月隅田川沿いでやったように、今後の四股1000オフライン会場としても良さそうだと提案があった。

四股ノオト
7/28 四股ノオト

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