6/26 四股1000 六十日目 ナナ

 6名参加。東京、京都、大阪より参加。ルルベ、ドゥミプリエ、壁の股割り、腰割りから開始。本日のカウントは、親子で前後に並んでのカウント、さいたまトリエンナーレ2016千秋楽での一ノ矢さんと呼出し邦夫さんとJACSHAの相撲聞芸術フォーラム「相撲道と作曲道2」、親子で手をつないでのカウント、「説経節」(伊藤比呂美現代語訳)、ヴァイオリン属の弦の種類、箏曲「六段」より初段の口唱歌、わらべうた(50踏)、7を強調するナナカウント(50踏)、インドネシア語(50踏)、「説経節」(50踏)、コントラバスで「相撲甚句」演奏(50踏)、「般若心経」超早読み(50踏)、全員のカウントで1000回。

 ナナは七月七日に生まれてナナという名前になったが、野見宿禰と当麻蹴速が相撲をとったのは七月七日と伝えられていて、相撲節会も始められた8世紀には七月七日に行われていた。親子で前後に並んでの四股で、石神さんの5角形の背後でナナちゃんの小さな5角形が内包されて見える二重5角形が美しい。

 JACSHA野村の「相撲道と作曲道2」の音読では、一ノ矢さんからジャン・コクトーが相撲を鑑賞し、立ち合いについてバランスの妙技と形容し感激し長い文章を残しているとのこと。コクトーと相撲についても要リサーチ。また、JACSHA樅山の「1時間くらいしきり直しをしている間、観客は待つんですか?」の質問に、一ノ矢さんが「やっぱり酒を飲んで」と、邦夫さんが「そういうものだったんです」と応答し、樅山が「素敵、そういう感覚」と言ったところで、素敵と言えることも素敵だと思い、1時間立ち合いを待ち続ける感覚に思いを馳せる。以前、ジョアン・ジルベルトの横浜でのコンサートで、途中、舞台上でジョアンが眠ってしまったのか、何十分もギターを抱えたまま演奏しない時間を観客が待ち続けたことがあった。あの時、客席から歓声が飛んだり、拍手が起こったり、静かになったり、いつまでも始まらない次の曲を大観衆と待つ体験は非常に豊かな時間だったことを、思い出した。

 昨日、「般若心経」の現代語訳で話題にのぼった伊藤比呂美さんが現代語訳しているということで、JACSHA世話人の里村が選んだのは「説経節」の「かるかや」の音読だった。説経節は浪曲の前身の語り物の芸能。冒頭部分で、神様、仏様が本来どういった人間であったかを語り始めるところから、引き込まれていく見事な文章で、こうした形で隠れ四股タンの四股神についての語り物を創作するのも面白いのかもしれないと思わせるようでもあるが、実は、JACSHA鶴見は今朝、関東から沖縄への移動の最中に隠れ四股タンについての物語を執筆していたのだ。竹澤さんは、伊藤比呂美さんにお会いしたこともあるが、娘さんにお箏を教えたこともあり、その娘さんのお父さんから里村はポーランドを教わり、最初に「ポーランド語はクマゼミみたいだから、クマゼミになるんだよ」と言われたことを鮮明に覚えている。竹澤さんは高校時代に沢井忠夫先生に初めてレッスンを受け、「この子は耳がいいから必ず伸びるよ」と言われたことを今でも覚えているとのこと。小錦が高砂部屋に入門して間もなく日本語があまり分からなかった頃、高砂部屋の親方が英語で言える言葉がプッシュだったので、稽古中にプッシュ、プッシュと言い続けていたら、小錦が押し相撲になった、というエピソードを大昔に聞いた記憶があるが、本当だろうか?最初の教えは、いつまでも冷凍保存されて新鮮に残り続ける。

 ヴァイオリン属の弦の種類は、数百もあり、100では収まらない。ビルトーゾ、ウルトラ、ソフト、ヘビーなど、いろいろあるが、ヘビーと言われると、脇から蛇が出てくる砂連尾さんをイメージしてしまう。コントラバスの弦は切れることはないが、理想は半年で張り替えるらしく、4本変えると10万以上してしまう。低音の箏の十七絃も理想は半年から一年で張り替えだが、やはり高価なので、リサイタルの時などに張り替える。熟練した楽器屋さんが糸をしめると、張りがあるけれども弾力性がある。こうした箏や三味線の弦をつくる会社が、次々に廃業していき、音のいい弦の会社がなくなっていく。粗悪品の会社が儲けていて、いい音のメイカーが潰れていく。

 箏曲の「六段」は108拍なので、100ではなく108踏んだ。ゆっくりしたテンポから始まり、少しずつ加速。二段目以降も踏んでみたい。後半は、初の試みで一人50カウントずつで、2巡目になった。50カウントはあっと言う間。石神さんの「わらべうた」、四戸さんのコントラバスでの「相撲甚句」など、もっと聞きたい。竹澤さんが超高速で「般若心経」を朗読。この50踏ずつ目まぐるしく変わった後、全員でポリフォニックに響くエンディングが劇的だったし、いつも以上に汗をかいた。ある種の序破急であったのかもしれない。感想を語り合っている途中に、飛行機内からJACSHA鶴見が登場。飛行機の外に出ると同時に、本日の感想戦が終了した。

四股ノオト
6/26 四股ノオト

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