6/28 四股1000 六十二日目 ととのう

 9名参加。東京、茨城、神奈川、京都、大阪より参加。セカンドポジションでグランプリエ(腰割り)、ファーストポジションでドゥミプリエ2回、グランプリエ1回(蹲踞)、ルルベから開始。本日のカウントは、日本語の数字(黙想、普、速おもちゃ付、餅)、ポーランド語の数字、ラヴェル「ボレロ」、元素(軽い方から)、狂歌(松平あかね作)、いざ最悪の方へ(サミュエル・ベケット著)のカウントで1000回。

 バレエ用語を用いての準備運動は、いつもJACSHA野村が慣れない単語を唱えていたが、今日はダンサーの砂連尾さんにリードしていただいた。バレエと四股や相撲の動きは似ているところもあるし違うところもある。バレエではつま先を180度に開くことが多いが、四股ではそこまでは開かず90度くらいだ。つま先と膝の向きを同じにして、足首から膝までが大地に対して垂直になるように立つことで、骨を揃えることが大事である、というのが、一ノ矢師匠からの教えの一つ。両足を大きく開くほど、足首から膝までを大地に対して垂直にするためには、腰を深く下げる必要があり、大きな四股となる。足を開く幅が小さいほど四股も小さくなるので、体の負荷も少なく無理せずにできる。バレエでは、つま先を大きく開いた時に、膝との角度がバラバラになることもあるそうだ。とはいえ、運動のプロではない、体の硬さに自信のあるメンバーからは(四股1000には、この中で私が一番硬いです、と自称する人が結構いる)、小さい四股で骨を揃えるにしても、骨盤が柔らかく開いていないと難しいので、腰を深く下ろす大きな四股の感覚も知った上で、小さい四股を踏むのが大事なのではないかという意見。一方で、以前は信じられないくらい腰が下りずに硬かったが、四股1000を続けて徐々に柔らかくなってきた、という別のメンバーもいる。これを聞くと、1日小さい四股を1000回もたくさん踏み続けることが重要であると気づく。

 目を閉じて踏み続けると、視界からの情報が入らないため、呼吸や体の内部感覚に意識を向けることができる。しばらく踏み続けて目を開けてみると、元の位置からズレていることもある。寝不足で参加したJACSHA世話人の里村は、今日の四股1000で「ととのってきた」と言う。四股1000に参加する以前はサウナと冷水の繰り返しで「ととのえ」てきたというメンバーは、コロナ禍で4ヶ月もサウナに行けていないが、四股1000を続けることによって「ととのう」感覚を得ているそうだ。「ととのう」ことは、四股で得られる重要な感覚だ。一ノ矢さんの連載「四股探究の旅」の第三回「“心気体”と四股」(月刊「武道」2018年11月号より)にはこう書かれている。『何十回、何百回とくり返すにしたがい、全身の筋肉が、細胞が、均一に齊って(ととのって)きます。』

 松平あかねさんは、オリジナルの歌「狂歌」を詠んだ。今年の1月から歌を書いているという。歌をゆーっくり詠んだあと、早いテンポで解説する、を繰り返す。日常生活の歌が多く(四股踏みの歌もあった)、歌の中によく登場する夫である敬さんが10ずつカウントしていくのも面白かった。四股1000の新しい文化に出会えたようで興奮した。

 先週の夏至股夜四股に続き、今日は夕方の四股時間であった。夕四股もいい。JACSHA鶴見は茨城の田んぼから参加した。裸で踏みたい(銭湯案)、マワシをつけて踏んでみたい、登山四股で歌垣(筑波山、大文字など)、など、メンバーからの悠久な夢が広がる。こうした楽しい四股1000イベントも引き続き、徐々に企画していきたい。

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