9名参加。東京、神奈川、茨城、京都、兵庫より参加。腰割り前のトレーニングからスタート。本日のカウントは、元素、宮城道雄三味線練習曲20番、竹野相撲甚句、夏の甲子園大会実況、日本語の数、さいたまトリエンナーレ2016千秋楽での一ノ矢さんとJACSHAの相撲聞芸術フォーラム、建築史家・藤森照信氏が建築に見る重さや重心について、全員のカウントで1000回。腰割り前のトレーニングは、なんとバレエ用語で置き換えられる。踵上げ下げはルルベ、太腿外旋運動はドゥミプリエ、腰割りはセカンドポジション。教えてくれたのは、「四股に憑かれたジャレオ」というダジャレを思いついてしまう程に四股トレにハマっている、ダンサーの砂連尾さん。大正時代までと、昭和以降の力士の四股スタイルは変わった。軸足ではない足は曲げたまま上げて、下腹、内側への意識が強かったのに対し、現在は見栄えも考慮して、足を真っ直ぐに伸ばして上げる、つま先の延長上の外側を意識したスタイルが多い。これは西洋の影響もあったのではないかとも考えられる。四股トレ1000は、合気武術の佐川幸義氏(明治35〜平成10)が一日千回踏んでいた佐川流四股が発端になっているが、多い時で一日一万回踏んだという。「バレエをしたいなら四股を踏め」として、学校の授業にも四股を取り入れ、一日少なくとも千回、多くて四千回に達するという、まさに四股尽くしの日々を送る砂連尾さんは、近いうちに一日一万回に挑戦したいという。メニューは、午前三千、昼四〜五千、夜二千。千回は約30分なので、一日合計5時間踏むこととなる。深層筋を鍛えて、二枚腰ダンスを目指しているそうだ。
久しぶりで2回目の参加となった、城崎国際アートセンターの吉田さんは、オートマティズムが芽生えたそうだ。初回は頭を使うことが多かったが、今日は、5、6、700回あたりから自動的に体が動くようになり、心地良かったという。四股ハイの境地である。JACSHA野村が連日朗読している相撲聞フォーラムは、皮膚感覚の話題。強い力士は、一瞬触っただけで相手のことが分かる。ミリ単位、0コンマ何秒のズレで負けてしまうというから大事な感覚だ。これを研ぎ澄ませるために毎日の四股テッポウすり足の基本稽古を続けるのだろう。今日は四股トレ後のボーッと放心状態になる四股メディテーションを久々にじっくり味わったが、皮膚や細胞に四股が充満し、夏の暑い空気に体の境界線が溶けていくようであった。